中古車販売店の社長と話していると、かなりの確率でこんな言葉を聞きます。
「最後は私が出れば決まるんですよ」
実際に社長が商談へ入ると決まる。
値引きも少ない。
利益も取れる。
お客様からの信頼も厚い。
一見すると素晴らしいことです。
しかし私は、この状態こそが会社の成長を止める原因になっているケースを数多く見てきました。
社長が売れることは悪くない
まず誤解しないでほしいのは、社長が売れること自体は素晴らしいことです。
車屋の社長は現場経験も豊富です。
商品知識もあります。
お客様との信頼構築も上手い。
だから売れて当然です。
問題なのは、「社長しか売れない」という状態です。
社長が休めない
社長しか売れない会社では、社長が休むと売上が落ちます。
旅行にも行きづらい。
病気にもなれない。
家族との時間も取りづらい。
常に現場へ出続けなければなりません。
これは経営ではなく、社長自身がトップ営業マンとして働いている状態です。
エース営業マンが辞めるのと同じ
もし会社に、販売台数の半分を売る営業マンがいたとして、
その人が突然辞めたらどうなるでしょうか。
かなり大きなダメージになります。
実は、社長しか売れない会社も同じです。
社長自身が最大の属人化になっているのです。
なぜ社員が売れないのか
ここで多くの社長はこう言います。
「うちの社員はまだまだだから」
「営業センスがないから」
「経験不足だから」
しかし本当にそうでしょうか。
私は違うと思っています。
実際には、売れる流れが共有されていないケースが非常に多いのです。
トップ営業マンには共通点がある
トップ営業マンを観察すると、共通した流れがあります。
- 最初の挨拶
- 信頼構築
- ヒアリング
- 提案
- 見積もり説明
- クロージング
本人は無意識ですが、一定の順番で商談を進めています。
だから売れるのです。
売れる流れを見える化する
問題は、その流れが本人の頭の中にしかないことです。
だから社員は真似できません。
社長は、「簡単だろ?」と思っています。
しかし社員からすると、
何をどう話しているのか分からないのです。
だから必要なのは、売れる流れを見える化することです。
営業台本が必要な理由
営業台本というと、セリフを覚えるものだと思われがちです。
しかし本質は違います。
営業台本とは、売れる流れを再現するための設計図です。
例えば、
- どんな順番で質問するのか
- どこで信頼を作るのか
- どこで不安を消すのか
- どこで決断を促すのか
こうした流れを整理することで、新人でも成果を出しやすくなります。
台本だけでは足りない
ただし、台本だけ作っても会社は変わりません。
必要なのは、
- 営業台本
- 実践トレーニング
- 商談補助ツール
- フィードバック
- マインドセット
これらをセットで運用することです。
すると少しずつ、社長がいなくても売れる状態が作られていきます。
社長の役割は営業マンではない
本来、社長の仕事は何でしょうか。
集客戦略を考えること。
利益改善を考えること。
人材育成を考えること。
会社の未来を作ることです。
しかし、毎日商談ばかりしていると、経営者としての仕事ができません。
結果として、会社の成長も止まりやすくなります。
利益が残る会社は仕組みで売っている
利益が残る会社は、社長の才能で売っていません。
会社として売れる仕組みを持っています。
だから、
- 営業マンによる差が小さい。
- 新人も育つ。
- 値引きも減る。
- 利益率も安定する。
そして、
社長が現場に張り付かなくても利益が残るようになるのです。
まとめ
社長しか売れない状態は、短期的には問題ないかもしれません。
しかし長期的には大きなリスクになります。
会社を安定して成長させるためには、社長の才能を仕組みに変えること。
つまり、属人化から仕組み化へ変えることです。
その積み重ねが、安定して利益が残る車屋経営へ繋がっていきます。
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