対策は2つに分けて考える
あと一歩で帰ってしまうお客様への対策は、2つに分けて考える必要があります。1つは、帰られる前に防ぐ仕組み。もう1つは、帰ってしまったお客様の再来店率を高める仕組みです。
帰られる前に防ぐ、報連相の仕組み
まず、帰られる前に防ぐ仕組みについてです。ここで欠かせないのが、上司へのこまめな報連相でした。
自分が車屋経営をしていた頃は、自分がお店にいるときは、商談の入り口、商談の序盤、商談の中盤、そして「あと一歩なんだけど決まらなそう、帰られそう」というタイミングの前に、必ず報連相させていました。
だから、実質的には、その商談を一緒になって進めている状況になるんです。大枠の流れは把握しながら、一緒に進めている感覚ですね。
営業マンには「一人で判断しないで、上司の力を借りて一緒に商談しよう」と伝えていました。商談を個人任せにしないことが、それで売れれば、成約は営業マンの1台としてカウントされます。誰も損をしない仕組みなんです。
営業マンからすれば、一人で抱え込まなくていいという安心感がありますし、経営者としても、売り逃しを未然に防げる確率が上がります。
この報連相の仕組みについて、補足しておきたいことがあります。これは、営業マンを監視するための仕組みではありません。あくまで「一緒に商談を成功させるため」の仕組みです。
ここを勘違いされると、営業マンは報連相を「サボっていないか見張られている」と感じてしまい、逆効果になります。売れたら営業マンの成果になる、困ったときは一緒に考える、という前提を、繰り返し伝えることが大切でした。
帰ってしまった後、再来店率を高める仕組み
次に、帰ってしまったお客様の再来店率を高める仕組みについてです。
うちのお店では、「お帰り商談キット」というものを用意していて、お客様が帰られる際には、必ずそれをお渡しするように徹底していました。
この結果、それまで1〜2割程度だった再来店率が、3〜4割まで上がりました。それだけでなく、「やっぱりラインアップさんで買います」という声が、確実に増えていったんです。
大事なのは、この「お帰り商談キット」の中身なんですが、これは今コンサルティングで実際に教えている内容なので、この記事では割愛させてください。
ただ、方向性としては、お客様が帰った後も、その方の中に「この店で買おうかな」という気持ちを、自然に残しておくための仕掛けだと思ってもらえればと思います。
何も渡さずに帰らせてしまうと、お客様の記憶からは、あっという間に商談の内容が薄れていきます。他店を回っているうちに、比較検討の対象からも外れてしまいます。
再来店率2倍の差が、数字にどれだけ効くか
再来店率が1〜2割から3〜4割に上がったというのは、数字で見るとかなり大きな差です。仮に月に10組、あと一歩で帰ってしまうお客様がいたとすると、以前なら再来店するのは1〜2組でした。
それが3〜4組まで増えたということは、単純計算で毎月2組前後、追加で成約のチャンスが生まれていたことになります。これを年間で考えると、決して小さな数字ではありません。
「帰られる前」と「帰った後」、両方をセットで考える
多くの車屋さんは、この「帰られた後」の対策を、ほとんど何もしていません。商談中の対策には力を入れていても、帰ってしまった後は、ただ連絡を待つだけになっているケースがほとんどです。
でも、実際には、あと一歩で決まらなかったお客様ほど、他店とも比較検討している可能性が高いので、ここでのフォローの有無が、最終的にどこで契約するかを左右します。
この2つの視点、帰られる前の商談内でのフォローと、帰った後のフォロー、両方をきちんと切り分けて考えている車屋さんは、実はあまり多くありません。ここを整理するだけでも、売り逃しの数はかなり変わってくるはずです。
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