営業成績が社員によってバラバラな車屋に足りないもの

車屋 営業成績バラつき

格差を広げていたのは、実は社長自身だった

営業成績が社員によってバラバラだった時期、うちにもありました。創業して最初の頃です。トップ営業マンは高い成約率でどんどん売るんですけど、他の数名は売り逃しが多いという状態でした。

正直に言うと、この差を生んでいた原因は、全部俺自身にありました。お客様が来店したら、トップ営業マンに真っ先に商談させるよう指示していたんです。ちょっと特別扱いしていました。

他の営業マンにだって、本来ポテンシャルはあったと思うんですけど、目先の1台をどうしても追いたくて、トップ営業マンにおんぶにだっこ状態になっていました。

他の営業マンには、商談をさせずに洗車や雑務を振っていたんです。それで、格差がどんどん広がっていくという構図でした。

「育成」するという発想自体、当時の自分にはなかったんですよね。だから、営業台本もマニュアルも、何も用意していませんでした。

突然の退職で、目が覚めた

このトップ営業マンに、ある日突然退職されて、そこでようやく目が覚めました。1人に頼りきって、他を育てずにいた結果が、そのまま返ってきたんです。

台本とロープレ、フィードバックで平準化した

そこから取り組んだのは、まず営業台本を作ることでした。自分がトップ営業マン時代に使っていたトークを、誰でも話しやすいように体系化したんです。

トーク集だけじゃなくて、どの場面で使うのか、お客様はどういう心理でいるのか、どんな不安を抱えているのか、そういった裏側までしっかり理解できるマニュアルにしました。

さらに、ロープレで実際に話せるように、日々のルーティーンに組み込みました。商談1件ごとに、自分がフィードバックするようにもして、改善のスピードを上げていったんです。

「差」は、社長が作っているケースも多い

振り返ると、営業成績のバラつきは、営業マン個人の能力差というより、経営者がどう接してきたかの結果でもあるんだなと感じています。特別扱いをやめて、全員に同じ台本とフィードバックの機会を用意する。これだけで、成績のバラつきはかなり縮まりました。

今振り返ると、洗車や雑務を振られていた営業マンたちは、決して能力が低かったわけではなかったと思います。ただ、商談の機会そのものを与えられていなかったんです。

経験を積む場がなければ、成長のしようがありません。当時の自分は、成績が良い方に商談を集中させることが、会社の売上にとって一番効率的だと思い込んでいました。でも、それは短期的な数字を優先して、中長期の人材育成を犠牲にしていただけだったんですよね。

台本とフィードバックの仕組みを作ってからは、商談の機会も全員に平等に回すようにしました。すると、それまで雑務ばかりだった営業マンの中からも、着実に数字を伸ばす人が出てきたんです。機会と仕組みさえあれば、誰でも一定レベルまでは伸びるんだと、この経験から実感しました。

成績のバラつきに悩んでいる経営者ほど、原因を営業マン個人の資質や気合いに求めがちです。でも、まず疑うべきは、機会と教育を全員に平等に用意できているかどうか。この視点を持てるかどうかで、会社全体の底上げのスピードは大きく変わってくると思います。

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