即決の決め手は、一つじゃなかった
即決してもらえた商談を振り返ると、決め手は一つじゃありませんでした。信頼できるお店、信頼できる人だと感じてもらえたこと。車の質、整備の質、保証の質に価値を感じてもらえたこと。
当日限定のご成約特典に魅力を感じてもらえたこと。そして、適切なタイミングでクロージングできたこと。この積み重ねが、即決という結果につながっていたんです。
「今日は決めます」を、鵜呑みにしても逃しても危険
「今日は決めます」と最初から言ってくるお客様は、正直、10人に1人いるかどうかです。
それも、お客様の方から自然に言ってくることはほとんどなくて、アンケートのタイミングで、こちらから言質を取りに行って、ようやく引き出せるかどうかという感覚です。営業マンによっては、これを引き出せないケースも多いと思います。
逆に、「今日は見に来ただけだから」というお客様の方が、圧倒的に多いんです。でも、そう言っていたお客様が、実際には買っていくケースも普通にあります。
ここで大事なのは、お客様の言葉を鵜呑みにしないことです。「今日は見に来ただけ」が本当の場合もあれば、営業マンに買わされないよう、あえてそう言っている場合もあります。
本人は見に来ただけのつもりでも、欲しくなって契約してしまうこともあれば、逆に「今日決めます」と言っていたのに、気が変わって決めないこともあります。
だから、一番大事なのは「決めつけない」ということです。このお客様は買いそうだ、買わなそうだ、冷やかしだ、まだ時期じゃない。こう決めつけてしまう営業マンや経営者は多いんですが、そんなの誰にも分からないんです。
お客様自身の気持ちも変わるんですから。可能性を、先に捨てないということです。
即決を逃した時、本当に見直すべきこと
即決を逃した商談を振り返るとき、「あと一歩」で帰られてしまった記憶ではなく、基本的には「その場で決められたのに、長引かせてしまった」という認識で振り返る方が、成長のスピードは早いと思っています。
その上で、「あの時これがあれば決まっていたな」と感じる要素は、いくつもあります。
- 迷っている背中を押せなかった
- お客様の判断任せにして、待ってしまった
- 型通りに進めず、一部を端折った商談をしてしまった
- 信頼度が低いままクロージングしてしまった
- 本当に買い替える理由、今の車の不満点などの深掘りが甘かった
これを、経営者としてどう仕組みに落とすか
これらは、営業マン個人の反省で終わらせるのではなく、会社としてチェックリスト化しておくべきだと考えています。
商談後のフィードバックで、この5つの視点で毎回振り返る。特に「深掘りが甘かった」という点は、台本の中に、今の車の不満点をしっかり聞き出す質問を、あらかじめ組み込んでおくことで防げます。感覚に任せず、聞くべきことを聞く順番として、決めておくということです。
そして、「決めつけない」という姿勢も、営業マン個人の心構えに任せるのではなく、教育の中でしっかり伝えていくべきだと思っています。冷やかしだと決めつけて手を抜いた商談ほど、後から振り返ると、もったいない売り逃しだったというケースが多いからです。
特典は、値引きとは違う武器になる
特典の魅力についても、少し補足しておきます。当日限定のご成約特典は、値引きとは違うものだと考えています。
値引きは価格そのものを下げてしまいますが、特典は、価格を下げずに「今日決めるお得感」を演出できます。ナビやドラレコといった付属品、あるいは特別な保証延長など、原価コントロールができる形で用意しておくと、粗利を守りながら、即決を後押しできます。
即決率を上げたいと考える経営者は多いんですが、クロージングが苦手な営業マンをどう戦力化するかを考える前に、実際には「営業マンのトークを磨く」ことばかりに目が向きがちです。
でも、今回挙げた要素を見ても分かる通り、信頼構築、車や整備の質、特典の設計、深掘りの質問、クロージングのタイミング、どれも会社として仕組みで用意できるものばかりです。営業マン個人の頑張りに期待するより、この仕組みを整える方が、確実に結果につながります。
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