こんにちは、野瀬です。
「車販を始めたいけど、ウチは何を売るのが一番いいんだろう?」
整備工場の社長さんから、よくこんなご相談をいただきます。
- 新車リースに加盟したけど、なかなか売れない
- 未使用車も扱ってみたいけど、仕入れが心配
- 中古車はトラブルが不安だし、利益率もよくわからない
結局、どこから手をつけていいか分からず、時間だけが過ぎていく。
今回はそんなお悩みに応えるために、
整備工場が「何を売るべきか?」を判断するポイントを、わかりやすく解説します。
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結論:どれを売るかより、“どう売るか”が大事
まず最初にお伝えしたいのは、
「新車リース」「未使用車」「中古車」どれにも正解・不正解はない
ということです。
それぞれに特徴があり、地域性やお客様層、スタッフの得意不得意によって向き不向きがあるんです。
大事なのは、「どれを売るか」よりも「誰に」「どうやって」売るか。
これが明確になっていれば、どんなジャンルでも結果は出せます。
それぞれの特徴と、向いている整備工場のタイプ
ここからは、それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。
【新車リース】:毎月定額、家計管理派に人気
▼特徴
- 車両代+税金+メンテ費用が全部コミコミ
- 月額表示で提案しやすい
- 定期メンテナンスを契約に含められる=工場の整備収益にもつながる
- リース会社と連携が必要(仕組み理解も必須)
▼向いている工場
- 店頭にポスター・のぼりを立てやすい立地
- 接客が得意なスタッフがいる
- パッケージ提案に自信がある(点検・車検も込みにできる)
▼注意点
- 顧客の“リース”に対するイメージが悪い地域だと苦戦
- 一部のFCでは価格競争が激しく利益率が薄くなることも
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【未使用車】:状態が良く、新車より安い。売りやすさ◎
▼特徴
- ほぼ新車だけど新車より安い
- 在庫を持たずに提案する“取寄せ販売”が可能
- 新車より納期が早い
- 「新車は高いけど中古車はちょっと…」という層に刺さる
▼向いている工場
- 在庫リスクをとりたくない
- 新車より価格訴求をしたい
- 「きれいな車を安く買いたい」層の多いエリア
▼注意点
- 仕入れルートの確保がカギ(提携業者選びが重要)
- 車両ごとに状態が違うため、見極めが必要
- 展示する場合、それなりに資金が必要
【中古車】:自由度が高く、利益率もコントロールしやすい
▼特徴
- 仕入れ→整備→販売まで工場の得意分野を活かせる
- 粗利もとりやすく、価格調整もしやすい
- 修復歴の説明など誠実な対応ができる工場には信頼が集まりやすい
▼向いている工場
- 技術力があり、自社整備でコスト管理できる
- 地元のお客様との信頼関係が厚い
- 再販や下取りも視野に入れている
▼注意点
- 車両の品質管理が甘いと、トラブルに直結
- 値引き要望が多く、商談力が必要な場合も
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それでも迷う方へ。判断基準は“お客様の暮らし”
「じゃあ結局、ウチはどれを選べば…?」
という方は、まず“お客様の暮らし”から考えてみてください。
たとえば…
- 子育て世代 → スライドドア付き未使用車 or リース(定額で安心)
- 高齢の方 → 小回りが利く軽の未使用車 or 軽中古車
- 法人・個人事業主 → リース(経費処理しやすい)
- 趣味やこだわり派 → 程度の良い中古車や低走行モデル
つまり、「売りやすい車」より「求められている車」を選ぶのが鉄則です。
整備工場の強みは、“売った後”まで一気通貫できること
どんなジャンルを扱っても、整備工場の最大の強みはここです。
売って、整備して、保険も見て、次の代替まで“ずっと関われる”
この「トータルサポート力」は、ディーラーや販売店にはマネできません。
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売るジャンルを決めたら、あとは“導線設計”
売るジャンルを決めたら、あとは「どう見せるか」「どう話すか」の導線づくり。
- 店頭にPOPを置く
- 点検時に一言「今なら〇〇の在庫ありますよ」
- 見積書にリースと現金購入を並べて提示
- 定期点検に来たお客様に乗換診断シートを活用
- ニュースレターとDMで既存客へ定期的にアプローチ
こうした“小さな仕掛け”で、車販は驚くほど自然に回り出します。
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車販は“何を売るか”より、“誰にどう提案するか”
「未使用車が売れるエリア」「リースが強い店舗」
いろんな成功事例を見てきましたが、共通しているのは
「お客様のニーズに合わせて、売り方を工夫している」
という点です。
つまり、売れるジャンルに“正解”はありません。
正解をつくるのは、あなたの仕組みと伝え方次第なんです。
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まとめ:「何を売るか」より「誰にどう売るか」がカギ
整備工場だからこそ、新車でも、未使用車でも、中古車でも売れます。
大事なのは、
- 地域のお客様がどんな車を求めているか?
- 社員がどんな提案スタイルに向いているか?
- 売った後もきちんと面倒を見られるか?
この視点をもとに、「自社にとってのベストな車販スタイル」を見つけてみてください。
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