こんにちは。野瀬です。
「売るためには値引きが必要だ」と思い込んでいませんか?
あるいは「うちは地域最安じゃないと売れない」と決めつけていませんか?
これは、自動車販売業に限らず、価格競争の渦に巻き込まれてしまった事業者が抱える共通の病とも言えます。
しかし、適正価格で、しかも値引きなしで車を販売し、それでもお客様から「買ってよかった」と言ってもらえる仕組みが存在するのです。
実際、そうした取り組みを始めた販売店は、粗利率が改善し、業務効率も上がり、採用までうまくいくようになったという好循環に入っています。
では、どうすれば「値引きなし」で売れるようになるのか?
その答えは「戦略的オペレーション」、つまりトップ営業マンに頼らず売れる仕組みを構築することにあります。
「営業トーク」よりも「仕組み」が売上と利益を安定させる
多くの販売店が陥っているのが、「できる営業マンがいる間は売れるけど、その人が辞めたらまたゼロに戻る」という属人的経営です。
営業マンの能力や経験に依存した販売体制は、採用と育成の手間をかけても利益率に直結しづらいという構造的な問題を抱えています。
その一方で、トップ営業マンに依存せずに売れる仕組みを先に作ることで、「誰がやってもある程度売れる」状態を実現している販売店もあります。
具体的には、
- 商品ページに車両状態・整備履歴を明確に掲載
- 店舗での接客は相談ベースで、無理に売り込まない
- アフターサポートの体制や実績をサイトやSNSで可視化
といった安心と信頼を得る情報発信と売り込まない接客がカギを握ります。
こうすることで、お客様が来店する前から信頼が芽生え、比較対象から安さではなく安心感を重視するようになるのです。
そんなことって当たり前のことでは?と思う方もいると思います。
ですが、当たり前のことを当たり前にやり続けている会社がほとんどないのです。
お客様にセールスするために営業トークではなく、お客様の悩みや不安に寄り添いアドバイスをするアドバイザーポジションを構築する仕組みを作ることが重要です。
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値引きしてまで売る車は「信用」を失う入り口かもしれない
「じゃあ5万円引きますよ」
「あと2万円なら頑張ります」
このような駆け引きが現場で当たり前のように行われている店舗では、お客様もそれが普通だと思っています。
しかしこのやり方では、値引き=不信感の温床になる可能性が高いのです。
なぜなら、値引きをすることで、商品そのものの価値に対して「そこまで下げられるのか」という疑念が生まれやすくなるからです。
一方で、「うちはすべて適正価格で、整備履歴・保証も含めてこの金額です」というスタンスを最初から明示していれば、価格交渉を省いた分だけ本質的な比較がされるようになります。
この違いが、利益率の改善と長期的な信頼の蓄積に大きな影響を与えるのです。
売れる営業マンを育てるより、売れる仕組みを整える方が早い
繰り返しますが、トップ営業マンに頼らない営業体制を構築することが、利益率を安定させる第一歩です。
もちろん、優秀な営業マンを育てるのも重要です。
しかし、そこには時間もコストもかかり、退職のリスクも常に付きまといます。
それよりも、誰がやっても同じ成約率を取れる仕組みで売る体制たとえば、
- 来店前の事前コミュニケーション(自社ホームページやSNSの強化)
- ネガティブ要素も含めた正直な情報提供
- 顧客の声を積極的に掲載するレビュー設計
- 値引きゼロを徹底する店舗ポリシー
- 初回接客時のヒアリングシート(ライフスタイル・使い方・家族構成など)
- 商品説明のテンプレート(スペック→整備→保証の順番など)
- 競合店との比較説明(比較表でメリット・デメリットを説明)
- 見積もり提示前に挟む「提案の時間」
を整えることが、圧倒的に再現性の高い営業体制を生みます。
結果として、経験の浅いスタッフでも成約率が上がり、「個人の力量」に依存しないビジネスが回るようになるのです。
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利益率を制する者が、経営を制する
「車が売れればいい」という時代は終わりました。
これからの時代は、「いかに値引きせずに、適正価格で売って利益を最大化するか」がカギになります。
そのために必要なのは、精神論でも根性営業でもなく、売れる仕組みを戦略的に設計すること。
利益率が改善すれば、余裕が生まれ、広告費もかけられ、人材にも投資できるようになります。
つまり、経営の選択肢そのものが広がるのです。
トップの営業マンの営業力で一時的に売るより、営業の仕組みを導入し、営業マン全員を育成することで、その仕組みで持続的に売れる体制を整える。
これが、あなたの会社が次のステージへ進むための戦略的オペレーションです。
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