トップ営業マン1人に依存する車屋経営のリスク

車屋経営 トップ営業依存

19歳の新人が「俺のコピー」になるまで

創業してちょっと経った頃、19歳の未経験の子を採用したことがありました。この子がめちゃくちゃ飲み込みが良くて、マンツーマンで指導していたんです。

お店で教えるのはもちろん、オークションにも同行させて、行き帰りの車内でロープレをしたり、俺と一緒にいる時間をとにかく増やして、集中的に育てていきました。

半年後には、俺のコピーだと思えるくらい、成約率の高い営業マンに育っていて、正直めちゃくちゃ嬉しかったんですよね。

突然の退職宣言と、襲ってきた恐怖

でも、数年後、その子から突然「辞めます」と言われたんです。予兆が全くなかったので、本当に焦りました。

なぜなら、この子だけがダントツで売れていて、他の営業マンとの差がかなり激しかったから。「辞められたら、売上がガタ落ちする」という恐怖が、一気に襲ってきました。この時、一人のトップ営業マンに依存することは、会社にとって大きなリスクなんだと痛感しました。

なぜ、一人に依存する状態になったのか

原因は、営業教育がうまくいかないのは教え方ではなく仕組みの問題だと、当時はまだ気づけていなかったからです。

だから、やる気が感じられる社員には、俺がとことん本気になって集中的に指導する。でも、それ以外の営業マンは、正直ほったらかし状態になっていました。営業台本もなかったし、トークもバラバラだったんです。

依存から脱却するための「育成の仕組み」

依存から脱却するために、まず誰でも同じトークが話せるように、営業台本を作りました。ロープレが続かない会社に共通する落とし穴を避けるためにも、ロープレを日々のルーティーンに組み込んで、営業補助ツールも作って、商談のフィードバックもするようにしました。

「育成の仕組み」を定着させることが大事だと気づいたので、焦らずコツコツ続けていくことにしたんです。

仕組み化で見えた、意外な発見

正直、今までは、「この子は売れる」「この子はダメだ」って、第一印象でかなり決めつけちゃっていた部分がありました。でも、仕組みを作って時間が経つにつれ、徐々に伸びてくる子も出てきたんです。

着実に成長してきた子の方が、実はブレが少なくて安定している。こういう経験からも、営業の仕組みを作って定着させることは、本当に会社の安定感につながるんだなと感じました。

トップ営業マンに頼っている状態って、経営者からすると、実はすごく居心地がいいんですよね。数字は伸びるし、教育の手間も一人に集中させればいいし、正直、楽なんです。

でも、その楽さの裏側で、会社の基盤はどんどん脆くなっていっていました。1人が抜けただけで売上が崩れる会社は、外から見れば安定しているように見えても、実際は綱渡りをしているのと同じなんだと思います。

その後は、育成を一人のカリスマ性に頼らない体制にしました。そうすれば、誰かが辞めることになっても、慌てて売上を心配する必要はありません。仕組みが会社に残っているので、次の世代の営業マンも、同じように育っていけるからです。

トップ営業マンがいることは、決して悪いことではありません。ただ、その人がいなくなった瞬間に会社が揺らぐようでは、経営としては危ういままです。

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