こんにちは、野瀬です。
整備工場の社長さんと話していると、よくこんな言葉を聞きます。
「うちは地域密着でやってるし、高い車なんて売れませんよ」
たしかに、地域の常連さん相手に何百万円もする車を売るなんて、ハードルが高く感じますよね。
でも、本当にそうでしょうか?
実はこの「高い車は売れない」という思い込みこそが、車販のチャンスを狭めていることもあるんです。
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今回は、整備工場だからこそ“高単価の車”が売れる理由と、その具体的な方法についてお伝えします。
高い車が売れるかどうかは、“信頼の厚み”で決まる
まず最初にお伝えしたいのはこれです。
高い車が売れるかどうかは、商品のスペックや営業トークではなく、「どれだけ信頼されているか」で決まる。
整備工場には、すでに“信頼してくれている”お客様がいます。
- オイル交換に毎回来てくれる
- 「あそこの工場に任せれば安心」と思っている
- 車検のたびに必ず相談してくれる
この“安心感”こそが、価格では買えない最大の営業資産なんです。
ディーラーや販売店との違いはここ!
お客様が車を買う時に不安に思うことって、何だと思いますか?
- 「本当にこの車でいいのかな…」
- 「買ったあと、ちゃんと面倒見てくれるかな…」
- 「営業マンに丸め込まれてないかな…」
つまり、車そのものよりも「売ってくれる人・店」に不安を感じているんです。
その点、整備工場は“売ったあとも見てくれる”ことが最初からわかっているので、
「どうせ買うなら、あの工場で買いたい」
という安心感につながりやすいんです。
実際にこんな声もあります
実際、私が支援している整備工場では、こんなエピソードがありました。
事例①:ディーラーで見積もりを取ったけど…
あるお客様がディーラーで新車の見積もりを取っていたものの、最後の一押しが決まらず、いつもお世話になっている整備工場に相談。
すると、社長がこう言いました。
「その車、ウチでも同じくらいで用意できますよ。買ったあとの整備も全部うちでやりますから、安心してくださいね。」
結果、その場で即決。
お客様は、「この人なら安心できる」と“人”で買ってくれたのです。
事例②:営業トークゼロで未使用車を販売
別の工場では、来店したお客様の会話の中からライフスタイルの変化(お孫さんの送り迎え)を拾って、コンパクトカーからスライドドアの未使用車を提案。
営業トークなんて一切なし。ただ、“今の暮らしに合った車”を丁寧に紹介しただけ。
それでも、「そうそう、これこれ!こういう車が欲しかったのよ」と言って、笑顔で即決。
「高い車ほど、整備工場で買いたい」という人がいる
これ、意外に思われるかもしれませんが、本当です。
高い買い物だからこそ、「売って終わり」じゃない場所で買いたいという心理があるんです。
- 壊れたとき、どこに連絡すればいいかわからない
- メンテナンスを任せたいけど、どこに出せばいいか迷う
- 売った営業マンがもう辞めてた…なんてこともザラ
その点、整備工場で買えば、「何かあったら、あの人に連絡すればいい」と思ってもらえる。
それだけで、お客様にとっては大きな安心です。
整備工場で高単価車を売るための“3つのコツ”
では、実際に高価格帯の車を整備工場で売るためには、どうしたらいいのでしょうか?
ポイントは次の3つです。
① 「月々払い」の提案を徹底する
お客様の多くは、車の“総額”ではなく“月々の支払い額”で判断しています。
- 「この車、月々いくらで乗れるか?」
- 「車検・税金・メンテナンスが込みでこの金額」
こういう伝え方をするだけで、「高い車=手が届かない」という思い込みが消えます。
特に新車リースや未使用車は、「総額より月々」で勝負するのが鉄則です。
② 「理想の暮らしに合う車」を提案する
「燃費がいい」「荷室が広い」「安全性能が高い」
こうしたスペック情報よりも、
- 「週末の家族ドライブがもっと快適に」
- 「車椅子もラクに乗せられる」
- 「雪の日でも安心して通勤できる」
といった、“お客様の暮らしに合った提案”の方が心に刺さります。
整備工場だからこそ、お客様の生活をよく知っているはず。
その情報を活かさない手はありません。
③ 「いつもの工場で買える安心感」を伝える
- 「整備も、アフターも、全部うちで見られますよ」
- 「何かあったらすぐ対応できるので、ご安心ください」
こういう一言が、ディーラーや量販店にはない“決め手”になります。
派手なトークはいりません。
安心感と誠実さ、それが最大の営業力です。
「高い車は売れない」ではなく「売る準備が整っていない」だけ
ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。
そう、整備工場で高単価の車が売れないのは、
営業力がないからでも、土地柄でもなく、
単に「売るための準備」が整っていないだけ
なんです。
- 「月々の見せ方」
- 「提案の仕方」
- 「安心感の伝え方」
この3つを整えれば、高単価車も自然と売れていきます。
まとめ:「整備工場は高い車が売れない」という思い込みを手放そう
整備工場は、信頼と安心を土台にしてビジネスを築いてきました。
だからこそ、「高い買い物は、ここで買いたい」と思ってもらえるんです。
車を売るのは、決して“口のうまさ”ではありません。
お客様の不安を取り除き、安心してもらうこと。
その点で、整備工場はすでに大きな武器を持っています。
あとは、その強みを“売れる仕組み”に変えるだけ。
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