車業界を取り巻く環境が、変わり続けている
車業界を取り巻く環境は、これからも大きく変わり続けていきます。人口減少、少子高齢化、若者の車離れ、物価高騰、半導体不足、金利上昇、仕入れ価格の上昇、EV化。
これだけの要因が同時に重なっている業界は、そう多くありません。一つひとつは以前から言われてきたことですが、これらが同時期に重なっている今の状況は、これまでとは違う厳しさがあります。
新規集客に広告費を積む経営は、もう通用しない
こういう厳しい環境の中で、ネット広告やチラシに多大な広告費をかけて、価格の安さで新規のお客様を釣ろうとする経営は、私はナンセンスだと考えています。
新規のお客様を集めるには、必ずコストがかかります。しかも、仕入れ価格が上がり続ける今の状況では、そのコストを吸収できるだけの粗利を確保しづらくなっています。
広告費をかけて安く売って、また広告費をかけて安く売る。この繰り返しでは、環境が厳しくなるほど、体力を消耗していくだけです。売上の数字は立っていても、手元にお金が残らない状態は、こういう構図から生まれます。
これから重要になるのは「LTV」という発想
LTVとは何か
LTVとは、一人のお客様が生涯を通じて、自社にもたらしてくれる利益の総額のことです。1回の販売でいくら儲かったかではなく、そのお客様が次の車検、次の整備、次の買い替え、さらには紹介してくれたお客様まで含めて、どれだけの利益を生み出してくれるかという視点です。
新規のお客様を広告費で集める発想から、今いるお客様との関係を長く育てていく発想に変えることが、これからの経営には欠かせません。1人のお客様と、1回きりの関係で終わらせるか、10年単位の関係として捉えるかで、そのお客様がもたらす利益の総額はまったく変わってきます。
今来ているお客様を、確実に決める
新しいお客様を追いかける前に、今すでに来店してくれているお客様を、確実に成約につなげることが先決です。
せっかく来てくれた方を売り逃していては、新規集客にどれだけ力を入れても、穴の開いたバケツのように利益が漏れ続けます。土台となる成約率が低いままでは、集客を増やしても効果は限定的です。
既存客の買い替え促進と紹介を増やす
一度お車を購入いただいたお客様との関係を大切にし、次の買い替えのタイミングでも選んでいただけるようにする。
さらに、満足度の高いお客様からのご紹介が生まれる状態を作る。これができれば、広告費をかけずに新しいお客様と出会えるようになります。車検や点検のたびに関係を維持しておくことが、次の買い替えにつながっていきます。
整備工場も、車販という収益の柱を持つ時代へ
整備工場についても、状況は同じです。EV化が進めば、従来型の整備需要は少しずつ変わっていきますし、整備士の確保自体も難しくなっている工場が増えています。
こうした中で、整備という一つの収益源だけに頼り続けるのではなく、車両販売という収益の柱を新たに持つことが、経営の安定につながります。
整備で培ったお客様との信頼関係は、車両販売においても大きな強みになります。整備で接点を持っているお客様は、すでに信頼関係ができている分、新規のお客様よりも成約に至りやすいという利点もあります。
整備の予約や車検の案内のついでに、乗り換えの案内をするだけでも、反応はまったく違ってきます。
今からできる、3つの確認
環境が厳しくなる中で生き残る車屋と、そうでない車屋を分けるのは、広告費を出せるかどうかではありません。今いるお客様をどれだけ大切にし、その関係から次の利益をどれだけ生み出せるかという視点を持てているかどうかです。
大きな戦略転換のように聞こえるかもしれませんが、始めることはそれほど難しくありません。まず、既存客のリストが、きちんと管理されているかを確認してください。誰が、いつ車を購入し、次の車検がいつなのか。これが把握できていなければ、LTVを高めようがありません。
次に、車検や点検のタイミングで、次の買い替え提案ができているかを確認してください。せっかく接点があるのに、その場限りの対応で終わらせている会社は少なくありません。
最後に、紹介をお願いする仕組みが、そもそも存在するかを確認してください。満足度の高いお客様に、こちらから紹介をお願いする機会を、意図的に作れているかどうかです。何もしなければ、紹介は偶然にしか生まれません。
この3つを確認するだけでも、今の経営がどこに偏っているかが見えてきます。私自身、この考え方に切り替えたことで、広告費に依存しない経営に変わっていきました。この考え方の全体像を、無料のセミナー動画でお話ししています。
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