中古車販売における新規顧客獲得コストの実態

中古車販売 新規顧客獲得コスト

月30万円の掲載料と、超薄利多売モデル

創業した頃は、カーセンサーとグーネット、両方合わせて月30万円くらいの掲載料を払って集客していました。激安価格で出せば反応が取れるんですが、相場通りの価格で出すと、まったく反応がなかったんです。だから、超薄利多売モデルでやるしかありませんでした。

1台あたりの粗利は10万円から15万円くらい。しかも月ごとの波がすごいので、安定感はゼロ。今月は大丈夫かな、という不安がずっとありました。それでも掲載を止めるわけにはいきません。だって、他に新規集客の方法を持っていなかったからです。

最大で、両方合わせて月70万円くらい払っていた時期もありました。何度も言いますが、カーセンサーやグーネットで反応を取るためには、他の店よりも激安で出す必要があるんです。

そうなると、車の質、整備の質、保証の質、仕上げ、全部落とすしかありません。まさに「安かろう悪かろう」なんですが、それを「程度極上!」とか言って掲載するしかないんです。

1台あたりのコストを計算すると見えてくるもの

月30万円の掲載料を、実際に販売台数で割ってみると、見えてくるものがあります。仮に月10台売れていたとしても、1台あたり3万円のコストがかかっている計算です。

粗利10万円から15万円の商売で、そこから3万円が広告費として消えていくわけですから、実質の手残りはかなり薄くなります。しかも、掲載料は毎月固定でかかり続けるので、売れない月があると、その月は赤字に近づきます。

 「引っ掛け商法」も見てきた

当時は、車両価格だけを表示するのが主流でした。だから、車体価格を超激安にして、諸費用は一切載せず、来店したら諸費用50万円、みたいなお店も結構あったと聞いています。いわゆる引っ掛け商法ですね。

さすがに諸費用50万円まではやっていませんでしたが、うちの店でも諸費用は20万円から30万円くらい計上していて、相場よりちょっと高めでやっていました。

良心の呵責が、転機になった

でも、何よりつらかったのは、状態が微妙な車を極上みたいに売ることに、だんだん良心の呵責を感じるようになったことでした。自分が独立してやりたかったのは、こんなことじゃないと思うようになったんです。

まず、良いものを売りたい。良いことも悪いことも正直に伝えて、納得して買ってもらいたい。そう思うようになりました。

自社メディアへの切り替えは、簡単ではなかった

そこから、徐々に自社メディアでお役立ち情報を発信していって、安さよりも安心を重視したコンセプトに切り替えていきました。

情報発信のコスト、つまり手間暇はかかりますが、自社に興味を持った人が集まってくるので、安売りしなくても価値を感じてもらえて買ってもらえるんです。1台あたりの粗利は上がるし、成約率も上がるし、顧客満足も高いし、紹介も増える。良いことづくめでした。

自社メディアに切り替える過程も、簡単ではありませんでした。最初のうちは、記事を書いても誰も読んでくれません。反応があるまでに、正直かなりの時間がかかりました。カーセンサーやグーネットのように、掲載してすぐ反応が来る世界とは、まったく違う時間軸で動く集客方法だったんです。

それでも続けられたのは、この道が「安売りを続けなくていい未来」につながっていると分かっていたからです。目先の反応が欲しいなら、ポータルサイトの方が早いです。でも、そこに頼り続ける限り、値引き前提のお客さんと、良心の呵責を抱えながらの商売から、いつまでも抜け出せません。

ただ、この集客方法は正直、とてつもなく険しい道のりです。めちゃくちゃ手間も時間もかかります。それをやったとしても、うまくいくかどうかは分かりません。

だから、ほとんどの車屋さんはやらないんです。でも、中長期で見たら、絶対にやるべきだと思っています。この経験があるからこそ、今コンサルで伝えているのは、集客の方法を変えるなら、早めに、体力があるうちに動き出した方がいい、ということです。

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