「その場で決めてもらうか、二度と来ないか」で売っていた時代
創業した頃、私の営業教育は根性論そのものでした。
「その場で決めてもらうか、二度と来ないか、このつもりでやれ」
こんな言葉で、社員に発破をかけていたんです。今思えば、笑い話です。当然、これでは売れません。社員によって成果はバラバラで、教えたつもりでも、何も伝わっていませんでした。
台本を作った。でも、覚えてもらえなかった
さすがにこれではまずいと思い、台本を作りました。営業補助のツールも作りました。ロープレもやりました。商談後のフィードバックの場も設けました。
やるべきことは、一通りやったつもりでした。ところが、ここで新しい壁にぶつかります。
覚えていない、途中で自己流が混ざる
台本を配っても、社員はなかなか覚えてくれません。前半は台本通りに話しているのに、後半になると急に自己流のトークに変わっている。本人に聞くと、悪気はなく、「途中から言葉が出てこなくなって、いつものやり方に戻ってしまった」という感じでした。
覚えていても、棒読みで伝わらない
一方で、台本を丸暗記した社員もいました。ただ、こちらも問題がありました。話し方がガチガチで、いかにも「暗記した文章を読んでいます」という空気が出てしまう。お客様からすれば、押し売りされているような印象を受けてしまいます。
これは、社員の記憶力の問題ではない
当時の私は、「なんで覚えられないんだ」と社員を責めたくなりました。でも、よく考えると、これは記憶力の話ではありません。
台本を渡すことと、それを実際に使いこなせるようになることの間には、大きな距離があります。その距離を埋める工程を、私は用意していませんでした。台本を配って、「あとは覚えてきて」と言っているだけでは、覚えられない人がいて当然です。
暗記が苦手な社員もいれば、覚えたことを自然な口調で話すのが苦手な社員もいます。それを個人の能力差として片付けてしまうと、教育はいつまでも進みません。
経営者がやるべきだったのは、覚えさせる工程を作ること
振り返って、私に足りなかったのは、台本を「配る」ことではなく、台本を「使えるようにする」ための工程でした。具体的には、こういうことです。
- 台本を一文ずつ短く区切って、1つずつ声に出して練習する時間を作る
- 覚えたつもりの箇所を、毎回口頭でチェックする
- 棒読みになっている部分を録音して、本人に聞かせる
- できるようになった部分から、少しずつ実際の商談で使わせる
台本を作るところまでは、多くの会社がやります。でも、それを実際に使いこなせるようにする工程まで用意している会社は、意外と少ないんです。
私自身、この工程を作ってから、社員の話し方が変わり、成約率にもはっきり差が出るようになりました。この一連の考え方を、無料のセミナー動画でお話ししています。
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