こんにちは、野瀬です。
17年間の中古車販売店経営を通して、たくさんの「売れる営業マン」を見てきました。
でも、それ以上に、私はたくさんの「売って嫌われる営業マン」も見てきました。
- 契約だけ取って、その後は放置
- 納車後にクレームの嵐
- 売れはするけど、リピートゼロ・紹介ゼロ
こういう営業マン、あなたの会社にもいませんか?
最初は売れていても、こういう営業は確実に行き詰まります。
そして、会社のブランドをじわじわと傷つけていきます。
逆に、「またあの人から買いたい」「友達にも紹介したい」と言われる営業マンは、
安定して売れ続け、会社の信頼資産にもなっていきます。
この記事では、私が経営現場で目の当たりにした
「売る営業」から「喜ばれる営業」への転換ストーリーをお届けします。
「売れさえすればOK」が招いた落とし穴
あるとき、ウチのトップ営業のBくんに、こんなクレームが来ました。
「納車のとき、説明が全然なかった」
「契約前はすごく対応よかったのに、急に冷たくなった」
「契約後、メールしても全然返事がない」
Bくんは販売台数トップで、契約率も高く、「数字だけ見れば優秀」でした。
でも、納車後のトラブルや不満が絶えなかったのです。
それは、Bくんが“売るための接客”しかしていなかったから。
■ 提案は上手
■ クロージングも強い
でも
□ 本音を聞き出す力がない
□ 値引きで引っ掛ける売り方
□ 売ったあとのフォローが薄い
結果として、一時的に売れても信用は積み上がらない。
「喜ばれる営業」に変わったスタッフの話
そんなある日、新人だったCさんが初めての成約を取りました。
しかも、そのお客さまは帰り際にこう言ったのです。
「今日は決めるつもりなかったけど…Cさんの話を聞いてるうちに、“ここで買いたいな”って自然と思ったんです。」
驚いた私は、Cさんの接客を録音で確認しました。
そこには、「売るテクニック」なんてほとんどありませんでした。
ただ、ひたすらに「お客さんの不安に耳を傾けていた」のです。
- 「初めての車選びで不安なんです」
- 「ローン通るか心配で…」
- 「中古車って故障が多いって聞くんですけど…」
その一つひとつに、丁寧に寄り添いながら答えていくCさんの声は、
まるで“頼れる友達”のようでした。
この瞬間、私は確信しました。
これからの営業は、“売る”ではなく“信頼される”が正解だ。
「喜ばれる営業」がもたらす3つの効果
【1】クレームがほぼゼロに
お客さんと信頼関係が築かれていると、
仮にトラブルがあっても怒鳴られません。むしろ、
「Cさんならちゃんと対応してくれると思ってました」
と言ってもらえるのです。
これ、すごく大事なことです。
会社としてのストレスも激減します。
【2】紹介・リピートが自然と増える
「またあの営業さんから買いたい」
「友達にも紹介したい」
そんな声が増え始めたのは、喜ばれる営業が定着し始めてから。
変に売り込み癖が付いているベテランよりも、丁寧な対応ができる新人スタッフほど、紹介率が高くなりました。
【3】値引きせずに売れるようになる
信頼を得てからの契約は、値引きの話になりにくいです。
- 「価格だけで決めたくない」
- 「Cさんに任せたい」
そう言われると、安売り競争に巻き込まれなくなります。
これは利益率アップにも直結します。
喜ばれる営業に変えるためにやったこと
では、どうやって「売る営業」から「喜ばれる営業」に変えたのか?
【1】ロープレの見直し
以前のロープレは、「どう売るか」「どうクロージングするか」がメインでした。
それを、「どう聴くか」「どう不安を解消するか」に変えました。
たとえば、
- 「お客さんの不安を3つ聞き出して、一つひとつ丁寧に説明する」
- 「途中で遮ったりせず最後まで話しを聴き切る」
など、“売り込まずに親身になって相談にのる訓練”を増やしました。
【2】“お客さまの声”をもらうようルール化
納車したお客様からコメントをもらうようにして、その内容を営業スタッフ全員で共有するようにしました。
感謝や喜びのコメントでビッシリ埋め尽くされたものもあれば、一言だけだったり、コメント自体拒否されてしまったり、明らかに営業スタッフの売り方の「質」の差がコメントに反映されていました。
これにより、最後に良いコメントをもらえるように接客するといった意識が芽生えて商談の質がどんどん変わっていきました。
売れる営業より、「愛される営業」を育てよう
売る営業は、短期的には数字を伸ばします。
でも、愛される営業は、会社の未来をつくります。
- クレームゼロ
- 紹介での来店が自然発生
- リピートで利益率アップ
- 営業スタッフの定着率アップ
まさに、「経営の土台」が強くなります。
まとめ:「誰から買うか」が選ばれる時代に
モノもサービスも情報も溢れる時代。
だからこそ、お客さんは「誰から買うか」で選ぶようになっています。
“この人は信用できる”
“この人に任せて安心だ”
そう思ってもらえる営業が、これからの時代に勝ち残る。
数字だけでなく、「人として信頼される営業」を育てることが、
中古車販売店が生き残るカギです。
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