見積もりの前に、必ず他社比較を説明する
うちのお店では、見積書を説明する前に、必ず他社比較の説明をするようにしていました。ただし、「うちの方が安いですよ」という単なる価格比較ではありません。
お客様が中古車を購入する際に不安に感じることに対して、他社の多くはどういった対応をしているか、そしてうちの会社はどういった対応をしているか、これを説明していたんです。
なぜ、価格の前に「不安」を解消するのか
中古車の購入は、お客様にとって、決して安い買い物ではありません。だからこそ、価格を提示する前に、「この会社は、自分の不安にちゃんと向き合ってくれる会社なのか」を、お客様に伝える必要があります。
価格だけをいきなり見せられても、お客様からすると、その金額が高いのか安いのか、適正なのかどうか、判断ができません。でも、その前に、他社との対応の違いを知った上で価格を見ると、「この金額なら、この対応をしてくれるなら、納得できる」という受け取り方に変わります。
具体的にどんな不安に、どう対応しているかという内容は、クライアント様にしか教えていない核となる部分なので、詳しくはお伝えできないのですが、この「価格の前に不安を解消する」という順番自体が、とても重要なポイントです。
これを省略する営業マンほど、決まらない
うちの独自の他社比較を飛ばして、いきなり見積もりの説明をしてしまう営業マンも、時々いました。事前準備が成約率を左右するのと同じように、そういう時は、かなりの確率で決まりませんでした。
お客様が不信感を持ってしまうというか、価格そのものに価値を感じてもらえなかったんだと思います。同じ金額を提示しても、その前に何を伝えたかによって、お客様の受け取り方はまるで変わってしまうんです。
会社として、伝える順番までマニュアル化する
見積書の伝える順番、伝え方、これらはすべて接客マニュアルにしていましたし、どう説明するかも台本に落とし込んでいました。だから、新人でもベテランでも、同じことが再現できていたんです。これが、仕組みの強みだと思っています。
価格提示がうまい営業マンとそうでない営業マンの差は、話術のうまさではなく、「何を、どの順番で伝えるか」という差です。この順番を、営業マン個人の感覚に任せず、会社として決めておくことが、価格に納得してもらうための土台になります。
価格提示の場面は、営業の中でも特に緊張が走る瞬間です。だからこそ、営業マン任せにせず、会社としてどんな順番で、何を伝えるかを決めておくことで、営業マンも自信を持って価格を提示できるようになります。
お客様にとっても、突然大きな金額だけを見せられるより、事前に会社の姿勢や考え方を知った上で価格を見る方が、安心感につながります。
うちの会社では、この順番を新人研修の初期段階から徹底していました。見積書の内容そのものよりも、その前段階の説明の質が、成約率を大きく左右すると実感しています。
中古車販売店の中には、価格の安さだけをアピールポイントにしているところも少なくありません。でも、価格の前に「なぜこの金額なのか」「この金額でどんな安心が手に入るのか」を丁寧に伝えられる会社の方が、結果的にお客様からの信頼も、成約率も高くなります。
適正価格を「納得してもらう」ためには、価格そのものより、その手前の説明にどれだけ時間と工夫をかけられるかが鍵になります。
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