営業の才能は仕組みで超えられる!エース不在でも売れる車屋のつくり方

車営業 仕組み化

こんにちは。野瀬です。

「売れる営業マンと、売れない営業マン。その差は、結局のところ個人の才能やセンスだ」

もし社長であるあなたが、心のどこかでそう思っているのなら、その認識こそが、会社の成長を妨げている最大の原因かもしれません。

確かに、売上を一人で牽引する「エース」は頼もしい存在です。

しかし、その一人の活躍に依存する組織は、エースが辞めた瞬間に崩壊の危機となってしまう可能性が高いです。

「ウチは人が育たない」「募集しても良い営業マンが来ない」と嘆く前に、考えてみて下さい。

問題は、本当に「人」にあるのでしょうか?

売れないのは、本人のやる気や能力のせいなのでしょうか?

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、結論から申し上げます。

売れない営業マンが生まれるのは、100%、社長であるあなたの「仕組みづくり」の怠慢が原因です。

営業の才能は、後から構築できる「仕組み」によって、誰もが再現可能なものなのです。

この記事は、個人の才能に依存する不安定な経営から完全に脱却し、営業未経験者ですら「売れる営業マン」に育て上げ、会社に安定した利益をもたらし続けるための、具体的な「仕組み」のつくり方をお伝えします。

なぜ、あなたの会社は「売れない営業マン」を量産してしまうのか?

多くの経営者が、売れない社員に対し「もっとやる気を出せ」「もっとお客様のことを考えろ」と精神論を説いてしまいます。

しかし、それでは何も解決しません。

問題の根源は、社員ではなく会社側にあるからです。

あなたの会社では、こんなことが起きていませんか?

  • 教育がなく、現場に丸投げ:「先輩のやり方を見て盗め」という名目で、教育を個人の裁量に任せている。これでは、教える側の能力によって新人の成長が左右され、いつまで経っても組織全体のレベルが上がりません。
  • ノウハウがエースに集中: エースの成功法則が言語化・共有されず、完全にブラックボックス化している。他の社員は、なぜエースが売れるのかを理解できず、ただその結果を眺めることしかできません。
  • 安易な値引きに逃げる文化: 明確な営業の「型」がないため、お客様に断られるとすぐに「では、〇〇円値引きします」という価格競争に陥ってしまう。これでは、たとえ売れたとしても、会社の利益は一向に増えません。

これらの問題はすべて、「誰がやっても、同じように高いレベルで価値を伝えられる仕組み」が存在しないことに起因します。

売れないのは、社員に才能がないからではなく、会社が「売れる方法」を具体的に提示できていないだけなのです。

この連鎖を断ち切り、盤石な経営基盤を築くためには、特定の個人に頼るのではなく「仕組み」が主役となる組織へと、会社を根本から作り変える必要があります。

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「凡人」を「プロの利益集団」に変える3つの仕組み化

仕組み化の目的は、全員が安定して高い成果を出せるようにすることです。

そして、単に「売る」だけでなく、会社に十分な「利益」をもたらすプロの営業集団を育成することです。

そのために、「才能」や「センス」といった曖昧なものを分解し、誰でも実践可能なレベルまで落とし込む「3つの仕組み」を構築します。

1.思考の仕組み化:「値引き不要」の価値提案マインドを植え付ける

まず最も重要なのが、全社員の思考のOSを入れ替えることです。

例えば、「車を売る」という意識を捨てさせ、「私たちは、お客様の不を解消し、ご予算の中で最適な一台をご提案する、その対価として適正な利益をいただくプロである」という営業哲学を、会社の共通認識として徹底的に植え付けます。

この哲学が浸透すれば、「どうすれば安くできるか」ではなく、「どうすればこの車の価値がお客様に最大限伝わるか」へと、社員の思考回路が切り替わります。

「この装備は、奥様が運転する際の不安を解消します」「このシートアレンジは、お子様との週末の思い出を何倍にも増やしてくれます」

このように、車のスペックではなく、それによって得られる顧客の「感情」や「未来の体験」を語る。

この「価値提案」こそが、価格競争から脱却し、利益を生み出す営業の神髄です。

この思考法を会社の標準とし、朝礼やロープレで繰り返し訓練することで、誰でも値引きに頼らない強い営業マインドを身につけることができます。

2.行動の仕組み化:トップセールスの動きを「完コピ」できる型にする¥

次に、エースの「行動」を徹底的に分解し、新人でも完全にコピーできるレベルの具体的な「型」に落とし込みます。

感覚や経験則に頼るのではなく、営業プロセスを科学し、標準化するのです。

  • 初回接客の型: お客様が来店してから最初の15分で、何を話し、何を聞き、どのような信頼関係を築くか。会話の順番、質問内容、さらには「言ってはいけないNGワード」まで、具体的なスクリプトに落とし込みます。
  • ヒアリングの型: お客様自身も気づいていない潜在的なニーズ(本当の悩みや願望)を掘り起こすための質問リストを作成。
    「この質問をこの順番ですれば、誰でもお客様の本音を引き出せる」というレベルまで標準化します。
  • 提案・クロージングの型: ヒアリングで得た情報をもとに、お客様の未来を豊かにする感動的なストーリーを語るための提案フォーマットを用意します。「なぜ数ある車の中で、この一台がお客様にとって最高の選択なのか」を、誰もが論理的かつ感情的に伝えられるようにします。

これらの「型」は、社員の自由を奪うものではありません。

むしろ、守るべき基本があるからこそ、安心して応用ができ、結果的に最短で成果を出せるようになるのです。

この強力な武器があるからこそ、「営業未経験者を採用する」という選択肢が現実的になります。

3.情報の仕組み化:「採用コスト」を「会社の資産」に変える

エースの頭の中にしかない成功体験や、個人のメモに残っている顧客情報は、会社の資産ではありません。

それらを組織全体で共有し、会社の血肉とする仕組みを構築します。

例えば、「今日の成功事例(なぜ売れたか)」「今日の失敗事例(なぜ売れなかったか)」を具体的に記述させ、それを全員で共有する会議を定期的に開催します。

成功の要因、失敗の原因を全員で分析することで、一個人の経験が、瞬時に組織全体のノウハウへと昇華されます。

この仕組みが機能すれば、新人は過去の膨大な成功・失敗事例から学ぶことができ、圧倒的なスピードで成長します。

エース一人の経験値に頼るのではなく、組織全体で経験値を積み上げ、学習し続けるのです。

この「教育の仕組み」が確立されて初めて、採用活動は意味を持ちます。

高い給料を払って他社からエースを引き抜くのではなく、未経験でも素直で意欲のある人材を採用し、自社の仕組みでプロに育て上げる。

これこそが、最も低コストで、最も確実な人材戦略と言えるでしょう。

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人を増やす前に、まず仕組みを作りませんか?

自動車業界も人手不足は深刻な問題です。

なので、どうしても採用に目がいってしまうかもしれません。

しかし、人を増やす前に誰が入って来ても「売れる仕組み」を作らなければ結局採用はただのコストとして終わってしまう可能性もあるのです。

営業の仕組み化がもたらす最大の果実は、売上の安定化だけではありません。

社員は、成果を出せる環境で働くことにやりがいを感じ、定着率が向上します。

社長であるあなたは、現場の売上に一喜一憂する日常から解放され、会社の未来を創るという本来の仕事に集中できる時間を手に入れることができます。

「良い人が来ない」と嘆くのはもうやめにしませんか?

良い人が来るのを待つのではなく、今いる人材を「売れるプロ」に変える仕組みを、社長であるあなたが創るのです。

営業の才能は、決して特別なものではありません。

それは、正しい思考と行動の積み重ねであり、だからこそ「仕組み」によって、誰にでもインストールすることが可能なのです。

高いコストをかけて求人広告を出す前に、まずは営業の仕組みを構築し、誰が営業してもお客様に喜ばれ、成約率が上がる仕組みを導入しませんか?

それが、エース一人が辞めてもびくともしない、10年後も安定して利益を出し続ける「売れる車屋」を創るための、唯一にして最短の道となるでしょう。

営業の仕組みについてより詳しく記載されているのがこちらの書籍になります。

車屋経営のマル秘戦略

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