値引きを断る、基本のトーク
値引き交渉をされた時、うちの会社では、営業台本の中に、値引きを抑制するトークがちゃんと用意されていました。基本的には、私が「うちのお店は値引きは一切しません」という値引きゼロの方針を、全員の営業マンに通達して、ルール化し、マニュアルにも落とし込んでいたんです。
具体的には、「本当に申し訳ございません。当店はワンプライスで、一律お値引きなしでやらせていただいているんですよね」という言い方をしていました。
「なぜなら」の理由づけまでセットで用意する
ただ、これだけだと、少し弱いんですよね。だから、「なぜなら」という理由づけも、あわせて用意していました。
「今、ほとんどのお客様が、ホームページやカーセンサーなどインターネットで、事前に値段を見て比較してから来店されます。だから、最初から限界まで安くした価格をネットに載せないと、誰にも反応していただけないんですよね。
なので、これ以上さらに値段を下げるというのは、さすがにできないんです。申し訳ございません」という流れです。
シンプルに言うなら、「会社のルールで、お値引きは一切やっていないんです。申し訳ありません」という断り方です。値引きしなくても売れる中古車販売の考え方と同じように、その理由づけまでセットで伝えられると、お客様も「じゃあしょうがないよね」と、納得しやすくなります。
下手な断り方は、お客様を怒らせてしまう
値引きを求めてくるお客様には、本気で値切りに来ている方と、ダメ元で言ってくる方、大きく2通りのタイプがいます。どちらか、こちらからは判断がつきません。
一番やってはいけないのは、お客様を苛立たせてしまう断り方です。きつく聞こえるような言い回しをしてしまうと、お客様も感情的になってしまいます。
そうなると、どんなに欲しかった車でも、「このムカつく営業マンからは買いたくないな」と思われてしまい、そのまま話が流れてしまうケースもあります。だから、お客様をムッとさせない、感情的にさせない、上手な断り方が必要になります。
上手な断り方は、「申し訳なさ」と「代替案」
上手な断り方は、まず本当に申し訳なさそうに伝えることです。「本当は力になりたいんです。お客様のお気持ちもよく分かるので、少しでも安くできたらいいなと思っています。ただ、どうしても会社の決まりで、これ以上は難しいんですよね」と伝えます。
「もしあれでしたら、上司に確認してきますね」と言って、一度席を外して時間を置くのも効果的です。「今相談してきたんですけれども、やっぱり会社の決まりなので難しいんですよね。申し訳ございません」と伝えると、お客様もこちらが本当に努力してくれたと感じてくれます。
そして、その代わりとして、納得できるような会社としてのサービスを提案します。「値引きができない代わりに、当日ご契約いただいたお客様には、いつも感謝の気持ちを込めて、当日ご予約特典をプレゼントさせていただいています」といった形です。
これを、営業マン個人の話術に任せない
こういう断り方は、営業マン個人のセンスや話術に任せてしまうと、うまくできる人とできない人の差が、そのまま出てしまいます。会社の武器となる台本と同じように、うちの会社では、断り文句、理由づけ、代替案の提示まで、すべてセットでマニュアルとロープレに落とし込んでいました。
値引きを断ることは、お客様との関係を悪くすることではありません。むしろ、伝え方さえ間違えなければ、会社としての誠実さを伝える場面にもなります。
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