「なんでこんなこともできないんだ…。」
昔の私は、商談が終わるたびにそう思っていました。
営業マンが売り逃す。
その商談を振り返りながら、
「俺だったら、この場面でこう言うのに。」
「なんで、その一言が出ないんだ。」
そんなことばかり考えていました。
今振り返ると、
完全に根性論でした。
売れない営業マンを変えようとしていたんです。
でも、会社は何も変わりませんでした。
本当に変わらなかったのは、営業マンではありません。
第2話でもお話ししましたが、
私が一番時間をかけて育てたトップ営業マンが辞めた時のことです。
その瞬間、
会社の成約率は一気に落ちました。
売り逃しが増え、
また私が商談に入る日々が始まりました。
その時、初めて気付いたんです。
営業マンが育っていなかったのではありません。
会社が、一人の営業マンに依存していたんです。
問題は営業マンではなく、
会社の教え方でした。
「教える」ではなく、「育つ環境」を作る
それまでは、
商談が終わるたびに
「もっとこう話せ。」
「こう言えば契約になった。」
そんなフィードバックばかりしていました。
でも、それでは営業マンは変わりません。
その場では理解しても、
翌日には忘れてしまいます。
実際、
営業台本を作っても、
最初は誰も覚えてくれませんでした。
だから私は考え方を変えました。
一度教えて終わりではなく、
繰り返し練習できる環境を作ろう。
そう決めたんです。
私が取り組んだ順番
最初に取り組んだのは、
営業トークではありませんでした。
まずは、
マインドセット。
売れる営業マンは、
どんな考え方で商談しているのか。
そこを理解してもらうことから始めました。
その次に、
営業台本。
ロープレ。
営業補助ツール。
最後に商談フィードバック。
この順番です。
営業台本だけ渡しても、
営業マンは売れるようになりません。
何度もロープレを繰り返し、
商談が終わるたびに振り返る。
その積み重ねが、
営業マンを成長させていきました。
一人の営業マンが教えてくれたこと
当時、
アルバイトから社員になった20代前半の営業マンがいました。
最初の頃は、
車のスペックばかり説明していました。
装備の話。
性能の話。
そして最後は値引き。
典型的な「車を売る商談」でした。
でも、
ロープレを繰り返し、
商談フィードバックを続ける中で、
少しずつ商談が変わっていきました。
車の説明ではなく、
「この車なら安心して長く乗れます。」
「ご家族にも喜んでもらえると思います。」
そんなふうに、
安心と信頼を伝える商談へ変わっていったんです。
すると、
お客様の反応も変わりました。
価格だけで判断されるのではなく、
納得して契約してくださるお客様が増えていきました。
その姿を見て、
私は確信しました。
営業マンが変わったのではありません。
教え方が変わったんです。
今日からできること
営業マンが売れなかった時、
ぜひ一度、自分にこう問いかけてみてください。
「売れない営業マンなのか。」
それとも、
「売れるように教えられていないだけなのか。」
この視点を持つだけでも、
営業マンへの接し方は大きく変わります。
まとめ
営業マンが育たない会社には、
共通点があります。
それは、
営業マン本人の努力や根性に期待していることです。
もちろん努力は大切です。
でも、
努力だけで成約率は安定しません。
売れる営業マンの考え方を学び、
営業台本で商談の流れを覚え、
ロープレで体に染み込ませ、
営業補助ツールで商談をサポートし、
商談後に振り返る。
こうした環境があるから、
営業マンは成長していきます。
私は17年間会社を経営して、
そのことを何度も実感してきました。
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