第10話では、
私が「集客を増やせば利益も増える」と信じていた頃のお話をしました。
でも、
本当に問題だったのは集客ではありませんでした。
今回は、
私がそのことに気付いた瞬間のお話です。
月末になるたび、違和感がありました。
私は毎月、
粗利を集計し、
広告費を確認し、
通帳残高を見るのが習慣でした。
そのたびに、
毎回同じことを思っていました。
「あれ…?」
「なんか全然お金増えてないじゃん…。」
車は売れている。
来店もある。
毎日忙しい。
でも、
利益が思ったほど残っていない。
何かがおかしい。
そう感じ始めたんです。
当時の私は、集客しか見えていませんでした。
カーセンサー。
グーネット。
毎日、
ライバル店の価格をチェックする。
1万円でも安く掲載する。
「安く出せば来店が増える。」
「来店が増えれば売上も利益も増える。」
本気でそう信じていました。
だから、
少しでも安く仕入れられる車を探す。
利益を削ってでも価格を下げる。
毎日そんなことばかり考えていました。
確かに、
来店は増えました。
でも、
その来店は、
価格だけで比較するお客様ばかり。
相見積もり。
値引き交渉。
売れても利益は薄い。
クレームも多い。
夜22時を過ぎても仕事は終わらない。
社員も疲れ切っていました。
それなのに、
「ありがとう。」
と言っていただけることは少なかったんです。
忘れられない商談があります。
ある日、
営業社員の商談を見ていました。
見積もりの説明も終わり、
お客様は明らかに欲しそうな表情です。
私は心の中で、
「ここで決まる。」
そう思っていました。
ところが、
営業マンは何も言わない。
クロージングしない。
店内が、
シーン…
と静まり返りました。
そして、
お客様が口を開きました。
「じゃあ、一度検討してみます。」
帰られた瞬間、
私は思いました。
「ヤバい。」
お客様が断ったんじゃない。
営業マンが、
決めきれなかったんです。
こんな商談を何度も見ました。
穴が空いていたのは、バケツでした。
その後、
私は営業マンごとの数字を徹底的に取り始めました。
来店数。
外商談数。
店内商談数。
成約数。
全部です。
そこで、
衝撃を受けました。
私以外の営業マンの成約率は、
約30%。
つまり、
10組来店しても、
7組は帰っている。
その数字を見た瞬間、
私は確信しました。
利益が残らない原因は集客ではない。
売り逃しだ。
今思えば、
私は穴の空いたバケツに、
一生懸命水を注いでいました。
広告で水を増やしても、
穴からどんどん漏れていたんです。
実は、多くの会社が数字を勘違いしています。
ここで一つ、
ぜひ確認していただきたいことがあります。
社長に
「成約率は?」
と聞くと、
「うちは把握しています。」
という会社は結構あります。
でも、
本当にその数字は正確でしょうか。
例えば、
営業マンが、
売れなかった商談を報告していない。
決まった商談だけ報告している。
そんなケースは珍しくありません。
また、
ある会社では、
店内の商談席に座ったら
「商談1件」
としていました。
でも、
展示場で少し話して帰られたお客様は、
商談にカウントしていませんでした。
これでは、
本当の成約率は分かりません。
実際よりも、
かなり良い数字が出来上がってしまいます。
すると、
「うちは来店したら結構売れてます。」
という勘違いが生まれる。
でも、
来店したお客様の大半が契約する車屋なんて、
私は見たことがありません。
数字が間違っていたら、
改善も間違った方向へ進みます。
今日からできること
まずは、
営業マン全員の
本当の成約率を出してみてください。
そのためには、
まず基準を統一することです。
例えば、
「展示場で接客を開始した時点で商談1件」
というように、
全員が同じルールで記録する。
そして、
売れた商談だけではなく、
売れなかった商談も、
必ず記録する。
改善は、
正しい数字からしか始まりません。
まとめ
私は以前、
利益が残らない原因は、
集客不足だと思っていました。
でも違いました。
問題は、
穴の空いたバケツでした。
そして、
その穴の大きさを教えてくれたのは、
感覚ではなく数字でした。
利益改善は、
集客を増やすことではありません。
まず、
今来ているお客様を、
どれだけ契約につなげられているのか。
そこを正しく把握すること。
そこから、
本当の利益改善は始まります。
無料セミナー動画のご案内
今回お話しした「穴の空いたバケツ」の考え方は、私が利益改善の順番に気付くきっかけになった出来事です。
無料セミナー動画では、
「なぜ集客を増やしても利益が残らないのか」
そして、
「利益が残る会社は、どんな順番で改善しているのか」
を、実際の事例を交えながら詳しくお話ししています。
利益を増やしたいと考えている車屋社長は、ぜひ無料セミナー動画をご覧ください。


