9割の営業マンは、表面的なヒアリングで終わっている
今まで見てきた車の営業の人たちの、9割くらいは、薄っぺらい表面的なヒアリングしかしていません。
「ご予算はいくらですか?」「どんなお車をお探しですか?」「お支払い方法は?」「ご購入時期はいつですか?」だいたい、こんな感じです。
このまま商談を進めていくと、途中でつまずくことが多いんですよね。予算オーバー、希望と違う、支払いはまだ決まっていない、購入時期は今すぐってわけじゃない、他のお店も色々見て回りたい。こういう壁に、次々ぶつかっていきます。
なぜ、深く聞き出すことが重要なのか
深く聞き出すことは、本当に重要です。
考えてみてください。今の車に何らかの不満や不便なことがあって、それが我慢ならないから、何十万円、何百万円もの大金を払って、解決したいと思っているわけですよね。
その不満や不便さが我慢できる範囲だったら、そもそも乗り続けるんです。お客様自身も、お金がかかることだから、買い替えようか、乗り続けようか、迷っている人が多いんですよね。
だから理解しないといけないのは、まず、今の車への不満や不便さは何なのかということ。それと、その悩みの深さ。そして、新しい車に求めていること。ここを押さえたヒアリングができれば、いい商談につながります。
「売りたそう」と「寄り添ってくれる」の分かれ道
お客様からすれば、予算の話や車種、購入時期の話がメインだと、なんか売りたそうだな、と感じますよね。
でも、今の車の不満や不便さについての質問だと、「悩みを聞いてくれる、寄り添ってくれる人」という印象に、一気に変わるんです。車を売り込んでくる営業マンではなく、悩みを一緒に解決してくれる人。この二つは、まるで180度違う印象になります。
これを、営業マン任せにしない理由
ただ、これを営業マン個人の感覚に任せていると、再現性が低いんですよね。だから、うちでは会社の武器となる台本の中で、「型」と「順番」をかなり細かく決めていました。
何を聞けばいいのか、営業マン自身が迷うことがなくなります。だから、新人であっても、しっかり深掘りしたヒアリングができるようになります。これが、仕組みの強みだと感じています。
実際に型を決めてから、新人営業マンの変化には驚かされました。以前は、入社したばかりの営業マンほど、緊張もあって、予算や車種といった聞きやすい質問ばかりに終始していました。
でも、深掘りする質問の順番があらかじめ決まっていると、緊張していても、決められた通りに聞き進めるだけで、自然と踏み込んだヒアリングになっていくんです。
ベテランの中には、「そんな細かく決めなくても、感覚で聞けている」という人もいます。でも、その感覚は、その人が辞めたら会社から消えてしまいます。
感覚に頼れる一部の人だけでなく、会社全体でこのヒアリングの質を保てるようにすること。これが、経営者として目指すべき状態だと考えています。
経営者として、ヒアリングをどう資産にするか
ヒアリングというと、営業マン個人のコミュニケーション能力の問題だと捉えられがちです。でも、実際には、何を、どの順番で聞くかという「設計」の問題なんです。
優れたヒアリングができる営業マンが、たまたま社内に何人かいる、という状態のままにしておくと、成約率が営業マン個人ではなく会社の仕組みで決まるという考え方から逆行し、その人たちが辞めた瞬間に、会社の商談力ごと失われてしまいます。
ヒアリングの型を、営業マン個人の頭の中ではなく、会社の資産として残しておくことが、経営者としてやるべき仕事だと思っています。
誰が担当しても、同じ水準で深掘りしたヒアリングができる。この状態を作れるかどうかが、成約率を左右する大きな分かれ目です。
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