昔の私は、
「ライバルより1万円安ければ売れる。」
本気でそう信じていました。
カーセンサーやグーネットで、
ライバルより少しでも安く掲載する。
ライバルが値下げすれば、
こちらも値下げする。
そんな価格競争を続けていました。
でも、安く売るには理由があります。
利益を残すためには、
どこかでコストを削らなければいけません。
程度があまり良くない車を仕入れる。
仕上げも最低限。
整備も最低限。
保証も付けない。
それでもネットには、
「程度極上」
そんな言葉が並んでいました。
あるいは、
安い価格でお客様を呼び、
来店したら高額な諸費用を乗せて販売する。
そんな会社も少なくありませんでした。
正直に言うと、
私はそんな商売に嫌気がさしていました。
「俺がやりたかったのは、こんな商売じゃない。」
心の底からそう思ったんです。
売った後の電話が怖かった。
当時、一番嫌だったことがあります。
お客様から電話がかかってくることです。
着信が鳴るたびに、
「クレームじゃないか…」
そう思ってしまうんです。
納車したばかりの車が故障した。
整備不足だった。
保証も付いていない。
だから、お客様からの電話にビクビクしていました。
ホームページにも、
社長である私の顔を出したくありませんでした。
営業マンの顔や名前も載せたくありませんでした。
何かあった時に、
直接責められるのが怖かったからです。
今思えば、
商品に自信が持てていなかったんです。
商品に自信がない営業マンは、契約をお願いできません。
営業コンサルをしていて、
売れない営業マンを見ると、
ある共通点があります。
クロージングの場面で、
急にもじもじする。
あと一押しで契約なのに、
「もう少し考えてください。」
と言ってしまう。
私は昔、
「もっと強くクロージングしろ。」
そう思っていました。
でも違いました。
営業マンは、
契約をお願いすることに抵抗があったんです。
なぜか。
自信がなかったからです。
商品に自信がない。
会社に自信がない。
売った後も、
本当に喜んでもらえるか自信がない。
だから、おすすめしきれない。
これは営業マンの性格ではありません。
会社の販売方針が、そのまま営業マンに表れていたんです。
だから私は、売り方を変える前に会社を変えました。
価格では勝負しない。
品質で勝負する。
納車前整備もしっかり行う。
保証も付ける。
安心して長く乗っていただける中古車だけを販売する。
そこへ180度方向転換しました。
すると、
営業マンが変わり始めました。
以前は、
スペック。
価格。
値引き。
そんな話ばかりしていた営業マンが、
「この車なら安心して長く乗っていただけます。」
「ご家族にも喜んでいただけると思います。」
そんな話をするようになったんです。
お客様の反応も変わりました。
営業マンではなく、
相談相手
として見てもらえるようになりました。
値引きを求められることも減り、
「あなたがそこまで言うなら。」
そう言って契約してくださるお客様が増えていきました。
営業マンのマインドセットは、社長が作っています。
私は長年、
営業マンを教育すれば売れるようになると思っていました。
でも違いました。
営業マンの考え方は、
社長の考え方を映しています。
社長が、
「価格で勝負しろ。」
と言えば、
営業マンも価格で勝負します。
社長が、
「値引きしてでも契約を取れ。」
と言えば、
営業マンも値引きでしか売れなくなります。
逆に、
社長が、
「お客様に本当に喜んでもらえる車を販売しよう。」
という方針なら、
営業マンも自信を持って提案できるようになります。
営業マンは、
社長の背中を見て育っているんです。
今日からできること
まずは社長自身が、
「なぜお客様は価格以外で当社を選ぶのか。」
その答えを言葉にしてみてください。
営業マンは、その言葉を聞いて育ちます。
まとめ
価格勝負の会社では、
価格勝負の営業マンしか育ちません。
商品に自信がなければ、
営業マンは契約をお願いできません。
だから私は、
営業マンを変える前に、
会社の販売方針を変えました。
その結果、
営業マンの話す内容も、
お客様との向き合い方も、
そして利益も、
大きく変わっていったんです。
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