こんにちは、野瀬です。
中古車販売店を17年間経営し、無借金・黒字経営を継続した後に引退し、今は車屋専門のコンサルタントとして活動しています。
今日のテーマは、「営業の仕組み化」について。
と聞くと、なんだか堅苦しいですよね。でも実は、この仕組み化こそが、
「クレームだらけの地獄みたいな日々」から、
「お客さんから“ありがとう”がもらえる職場」へと変える、最強の武器だったんです。
今、あなたの会社にこんな悩みはありませんか?
- 値引き前提の商談ばかりで疲弊している
- クレーム対応に追われ、スタッフが辞めていく
- お客さんが価格でしか選んでくれない
- 営業マンのスキルにバラつきがありすぎる
ひとつでも当てはまったなら、この記事はきっとお役に立てます。
なぜなら、すべて私がかつて経験していた問題だからです。
かつての私は「営業はセンス」だと思っていた
私が中古車販売店を始めた頃、営業なんて「口が上手いやつに任せておけばいい」と思っていました。
実際に、売れる営業マンと売れない営業マンの差は明らか。
売れる人は月に10台以上売るのに、売れない人は1~2台。
なのに、教え方が「がんばれ!」「もっと気合いで押せ!」という根性論。
これじゃ新人は育たないし、売れない人はずっと売れない。
しかも売れる人が辞めたら、会社の売上もガタ落ち…。
そんな「属人化」の限界を感じたのが、営業の仕組み化に踏み切ったきっかけでした。
営業の仕組み化とは、“誰でも再現できる売り方”を作ること
「営業の仕組み化」って聞くと、
「マニュアル作り?」「トークスクリプト?」って思うかもしれません。
でも、それだけじゃ足りません。
私が構築した営業の仕組みには、以下の6つの柱があります。
【1】外商談〜中商談〜クロージングの“構造化”
お客さんが来店してから成約に至るまでの流れを、完全に“見える化”しました。
- 外での第一接客
- 中に誘導するまでの話の流れ
- 中商談で話すべき情報と順序
- クロージング前に必要な材料
- 商談の分岐点での選択肢(A話法/B話法)
といったように、どの段階で、誰が、何をするのかを細かく設定しました。
【2】“ロープレ”で繰り返し練習
スタッフ同士で毎日ロープレを実施するようにしました。
「上手にできたポイント」「上手くいかないポイント」をその都度指摘し合い、小さな改善を積み重ねていきました。
これにより、分かるから“できる”へ成長する環境が生まれました。
【3】誰でも真似できる“営業トーク台本”
営業マン全員が同じ言葉・同じ流れで話せるように、「型」を整備しました。
例えば
- 外商談から中商談へ誘導するトーク
- 購入前の不安を解消するトーク
- クロージング前の長く良いお付き合いの話
- 値引き交渉を断るときの言い回し
など、売れる営業マンの“脳内”を言語化し、共有しました。
【4】行動数のKPI管理(プロセス管理)
営業成績(売上)だけでなく、
- 外商談件数
- 中商談誘導率
- クロージング回数
- 見積もり提出数
といった“プロセス指標”を毎日管理。
これにより、「なぜ売れないのか」が数字で明確になります。
根性論を一切排除したのも、スタッフの定着に大きく貢献しました。
【5】“打順制”で営業チャンスの平等化
チーム内で誰がどの順番で接客するかをルール化。
・ベテランが独占しない
・新人も平等に商談のチャンスが得られる
・不公平感ゼロで、職場がギスギスしない
組織として売上を最大化するには、こういった見えない摩擦の排除も不可欠です。
【6】クロージング後の“台当たり利益”最大化
成約後のオプション・保証・整備パックなどで利益を最大化する仕組みも整備しました。
これにより、値引きをしなくても「満足感のある提案」ができ、利益率もアップ。
営業の仕組み化がもたらした「3つの大きな変化」
営業の仕組み化を進めたことで、ウチの会社には以下のような変化が起きました。
【1】クレームが激減し、お客さんから“ありがとう”の声が増えた
統一された営業対応により、お客さんの「期待と実際のギャップ」が減少。
納車後の不満やトラブルがほとんどなくなりました。
以前は、納車後に鳴る電話はたいていクレームでしたが、
今は「納車ありがとう!子どもが喜んでてさ~」なんて声が増えたんです。
【2】新人でも半年で売れるようになった
仕組みが整ってからは、営業経験ゼロの新人でも半年以内に月5~10台を安定して売れるようになりました。
「育成できる会社」になると、人材が育つスピードが爆上がりします。
【3】営業マンの離職率が激減
営業が属人的で評価基準が不明確だった頃は、
「がんばってるのに評価されない」と辞める人が多かったです。
でも今は、やるべき行動・学ぶべきスキル・評価基準が明確。
安心して続けられる職場になりました。
最後に:営業の仕組み化は、「未来への投資」です
営業を仕組み化するのは、正直言って簡単ではありません。
時間も労力もかかります。ですが
「自分がいなくても売れる会社」を目指すなら、避けて通れない道です。
私自身、営業の仕組み化をしてから、
・現場に出ずとも売上が立つ
・営業マンが定着して育つ
・利益率が上がり、経営が安定する
という状態を作ることができました。
これは、全ての中古車販売店にとって必要な「土台」です。
営業の仕組み化をどう作るのか?すべてはこの本に書きました
『車屋経営のマル秘戦略』
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