こんにちは。ナンバーワン自動車販売プロデューサー野瀬貴士です。
自動車業界は大きな時代の変化もあり、今までの事業では衰退しかない。
それに加えて人口の減少は確実なので危機感をお持ちの会社も多いと思います。
2021年11、12月現在は、半導体の問題もあり新車が製造できずに納期が3ヶ月、6ヶ月先となり中古車市場も相場が上がったのですが、これは一時的なもので長く続くものではありません。
多くの企業、個人も今のメイン事業に変わる新たな柱はないか?と探していると思います。
何か新しい新業態をやらなければ先はない。
このような不安を巧みに操る人たちも車屋の周りには多いのです。
その危機感を煽るように、新車リースFC(フランチャイズ)やブラックローン。
最近は新たにコロナ関連の新業態での新規事業を車屋に提案する人たちが増えています。
その内容はどれも魅力的で儲かるのではないか?と思ってしまうと思いますが、実際には手を出してはうまくいかずに車屋を標的とするコンサル会社の餌食になってしまっているところも少なくないと思います。
私は、今度こそは新規事業で成功したい!そんなあなたの願いを逆手にとっているような人たちが正直許せません。
皆さんにはもっと胸を張って真っ当に稼いでほしい!と思っています。
そこで、この記事ではあなたがこれから新規事業を考えている場合に参考になる考え方をお伝えいたします。
よく考えて!うまくいかない車屋の儲け話とは?
最近ではネットの広告なども車屋向けの新規事業募集広告を見かけるようになりました。
またコンサルタントが発行するメルマガや、FAXDMなどから説明会などに誘導されていくでしょう。
その内容を心からやりたい!とあなたが思えば別にいいのですが、実際には言葉巧みに耳障りの良いセールストークで危機感を煽られながら引き込まれていく人が多いはずです。
車屋業界も変わらなければいけないということは私も賛成ですが、一過性の儲け話に乗っかってしまったら取り返しが付かなくなってしまう可能性も十分にあります。
引っかかってはいけない儲け話とは?
よくあるのはこちらのブログでも散々お伝えしている「新車リースの新業態」というものです。
1ヶ月で何百万という成功事例のオンパレードなのですが、新車リースはお客様とトラブルになることも多く、人口が少なくライバル過多の立地では儲かるのは一時的に過ぎません。
▼詳しくはこちらに書いています。
人口10万人以下の田舎で新車リースや新車販売のFCは絶対にやってはいけないと言える理由
もう一つは、ブラックローンです。
ブランクローンとはローンを組めない人に自社ローンを組んで粗悪な車を売るという手法です。
こちらは、ローンを組めないけど車が必要だ!という人にとっては一見役に立つような人助けな感じがしますが、借金を繰り返している人にさらにお金を貸すような闇金みたいな行為でもあります。
この事業で稼いであなたは家族に胸を張れるでしょうか?
そして最近少しずつ出始めてきたのがコロナウイルスのウイルス除去ビジネス関連です。
このコロナウイルス関連事業でおそらくですが、よくありそうなセールスレターはこんな感じです。
「車屋を救う新規事業!〇〇認証取得!世界が認める〇〇の力でコロナウイルスを完全に死滅させてお客様に安全・安心を提供し単価アップに貢献!」
みたいな感じで魅力的なセールストークが展開されると思います。
もしかしたらこちらは可能性としてはお客様のニーズがあるのかもしれませんが、この事実を多くの経営者は知らないので、ウイルス除去というのは明確な証明ができてないと厚労省も注意喚起をしています。
参考:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
このビジネスでも注意喚起がされているので本当に胸を張ってやれるビジネスではないのではないか?と私は考えています。
新業態での新規事業の考え方
よく新業態!とコンサルタントがセールスしてくると思いますが果たして新業態とはなんでしょうか?
よく見かける新車リースFCを新業態!と謳っているところもありますが、新車リースは新業態ではありません。
新業態とは
新業態とは革新性が求められます。
新車リースのFCは革新性は何もありませんよね。
まず新業態とは、
- 提供方法が従来と違う
- 価格が従来と違う
- 商品が従来とは違う
- 販売する顧客が従来とは違う
などです。
他にあると思いますが大まかにはこのようなことです。
そこにさらに革新性があるのか?が重要なテーマになります。
例えば、
インドではアプリだけで中古自動車の販売ができるという新業態があります。
こちらはショールームなし。アプリだけで車の売買を実現したというものです。
ざっくり説明すると
注文した車は自宅に届くので店舗に行く必要はなく、届いた車が気に入らない場合、7日以内であれば、どんな理由でも返品は可能。
さらに、購入前にユーザーのローン限度額査定もできるなど、非常に効率よい購入体験が設計されている。引用:https://techblitz.com/cars24/
もう一つは、
シアトルのスタートアップ企業でアプリで自動車整備士が自宅まで修理にきてくれるという新業態。
アプリ一つで熟練の車整備士を自宅に派遣するというサービスを展開しています。
わざわざ自分の車を整備工場まで持って行って、メンテナンスする必要がなくなるわけなんです!「車修理版ウーバー」と呼ばれてるそうです。
こちらは丸紅が出資しています。
参考:https://www.marubeni.com/jp/news/2019/release/201911072J.pdf
こちらの二つはどちらも提供方法の変更の新業態になります。
新業態や新規事業を考える前に知ってほしいこと
それは、本当にあなたの会社で新業態や新規事業をやることで売上アップが見込めるのでしょうか?
本当に必要な事業なのでしょうか?
実はお金を失うだけでなんの実入りもない可能性の方が大きくないですか?
まず気づいてほしいのは、どんな儲け話がきても、「自分自身はその儲け話に対してどうしたいのか?」です。
自分の心の声を信じてみた方がいいと思います。
そして、今やるべきことは何かというと、新規事業や新業態を考える前に今を変えて収益アップを考えた方が圧倒的に早いです。
例えば、成約率が低い会社は成約率をアップさせるために営業の仕組みを変える。
集客に苦戦しているところは集客の仕組みを変える。
カーセンサーやグーで収益率の低いところはカーセンサーやグーに依存しない体制を作る。
このように「今の現状を変える」ことでまだまだ皆さんの会社の収益は上がる可能性は大きくあります。
まずは今の現状で売上の上がる土台をしっかり作ってからで、新業態はその後ではないでしょうか?
まずは、あなたの会社の今を収益が上がる仕組みに変えてみませんか?