こんにちは。ナンバーワン自動車販売プロデューサー野瀬貴士です。
中古車販売店の多くは「売上をどうやってあげるか?」ばかりを考えています。
そして、カーセンサー、グーだけではなく、様々な掲載サイトに掲載料や手数料を払って安い車を一生懸命売ろうとしています。
コンサルティング会社の中にも低価格販売のFC展開を推奨しているところもあり、低価格戦略=売上高アップと考えているところも多いように感じます。
そこでは成功事例を大々的に見せられて「自分の会社でもこんなに儲かるのでは無いか?」と思い込まされてしまいます。
数が出ればいいのですが、現実はライバルも多く同じような低価格の中古車販売会社は多いので、さほど売れずに「集客」を考えるようになると思います。
「野瀬さん売上をあげる為にはやっぱりネット集客が必要ですよね?」とネット集客の相談に来るお客様の中には、このような状況で集客が必要だ!と考えている会社も少なくありません。
ですが、売上アップには集客が必要だ!と考えている会社の多くは、商売をする上で一番重要なことを忘れてしまってしまっているケースが多いのです。
最近も、新車・中古車販売、整備なども行う会社が6億ほどの負債で破産というニュースもありました。
コロナ禍において売上アップが大きな課題になっているのはわかります。
しかし、売上高を取りに行こうと頑張ってしまうと思わぬ落とし穴にハマってしまいます。
なぜ売上高アップを考えて新業態に走ると落とし穴にハマってしまうのか?その理由を詳しく解説したいと思います。
なぜ売上高アップを目指してはいけないのか?
商売の原則は多くの社長は知っているはずなのですが、多くの社長は、コンサルティング会社などの成功事例での売上高の大きさに夢をみてしまいます。
売上高はあくまで売上です。
広告費、人件費、地代などは利益から捻出しなくてはいけません。
つまり、売上高がいくらあっても利益が少なくては広告費を増やして集客などはできないのです。
詳しくはこちらの記事に書いています。
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激安軽自動車専門店は本当に儲かっているのか?数字のマジックに騙される前に知っておくこと
商圏人口で考えたら新業態は失敗します!
多くの会社の間違いは、商圏人口が多い=集客が見込めると考えている点です。
よくこのような成功事例はみませんか?
〇〇オートが〇〇新業態導入で売上高2億円!
この売上高2億円に惹かれて、実際の収支が見えなくなってしまうケースが多いです。
収支も粗利が20%ならすごく魅力的です。
ですが、これはあくまでライバル店舗が居ない場合の収支になります。
確かにライバルなしでこの業態をやれば狙える可能性はあるかもしれません。
しかし、これには数字のカラクリがあるのです。
商圏10万人で低価格の中古車業態を行ったとします。
中古車販売店でライバルの居ない地域はほぼ在りません。
仮に4社ライバルが居たとします。
自分の店舗を入れて5店舗です。
これで単純に1店舗あたり2万人になってしまいます。
一方、ライバル店舗が1店舗しかなければ、5万人がお客様になります。
2万人を相手にするのと5万人を相手にするのはどちらが売れると思いますか?
後者ですよね。
ですが、そこまで商圏分析については教えてくれないので、2万人しか居ないところで勝負をかけ集客できなくなってしまうのです。
実際の成功事例の収益とはほど遠く、どうすればいいですか?と聞いても広告費をもっとあげて認知を増やしましょう!と言われてしまうと思います。
これでは、せっかく売上アップを見越して参入したのに、逆に利益をどんどん失う結果となってしまうのです。
中古車販売で重要なことは利益率と成約率です
売上高を目指して利益を削って安く売っていれば必ず自転車操業となってしまいます。
売っても売っても会社にお金がない!という状況になってしまうのです。
すでに危機感を感じている会社も多いでしょう。
そんな会社が更なる売上高を目指すためには集客に力を入れてはいけないのです。
先に利益率の上がる販売手法に変換し、成約率を上げることです。
車1台の利益が2倍になって、成約率が2倍になったとしたらどうでしょうか?
単純に売上も利益も増大しますよね?
集客を一生懸命頑張る前に手をつけるところはここなのです。
売上高を目指して安さに走ってしまうと失敗します。
残念ながら倒産してしまった会社の在庫情報をみてみるとやはり10万円から298,000円の在庫が多くありました。
その中に300万、1000万とありましたが、この時点でお店のコンセプトが崩壊していることがわかります。
お客様がぜひ買いたい!そういっていただけるお店にすることは可能なのです。
それは、お客様が求める売り方をすることです。
そうすることで、利益率も成約率も上げることができます。
そこがしっかり構築できてから集客に取り掛かっていくと安定した収益をあげ続けられる会社になると思います。