車屋でトップ営業マンの売上に頼る組織づくりは人手不足につながります!

車屋 トップ営業マン 人手不足

こんにちは、車屋専門の採用コンサルタント野瀬貴士です。

中規模、小規模の車屋さんは、トップ営業マン数名が会社のほとんどの売上を作っているのではないでしょうか?

確かに、売れる営業マンは心強い存在ですし、その人がいるだけで月の数字が安定するというのは、経営者としても大きな安心材料です。

しかし、その一方で、その「安心」が人間関係のひずみを生み、採用した人材が育たず、辞めていくという悪循環を生んでいることに気づかなければなりません。

特に多いのが、古参社員による「俺ルール」の支配です。

新人に対して自分のやり方を押し付け、ちょっとでも意見を言えば「生意気だ」「やる気がない」と切り捨ててしまう。

また、できる新人が入れば、自分の地位や数字を脅かす存在になる前にいじめて辞めさせるのです。

これではせっかく採用しても、職場に馴染むことができず、退職してしまうのは当然のことです。

私の会社でも、まさにこの構造が長年続いていました。

採用にはそれなりのコストもかかっていますし、求人を出せばそれなりに応募も来る。

しかし、職場に定着せずにすぐに辞めてしまう。

なぜなのか?最初は私自身も気づいていませんでした。

しかし、退職者の面談や他の社員の意見を聞く中で、原因は「職場の空気」、もっと言えば「一部社員の圧力」にあると気づいたのです。

とはいえ、彼らを辞めさせるというのは簡単ではありませんでした。

なぜなら、売上の多くを彼らが握っていたからです。

会社を支えてくれている功労者であることは間違いありません。

しかし、その代償として人材が育たない環境を許してしまっている。

このままでは、いずれ会社の未来が立ち行かなくなると判断し、私はある決断をしました。

それは、「売上よりも組織の健全性を優先する」という方針転換です。

もちろん、売上がゼロになってしまえば会社は潰れます。

しかし、売上を一時的に落としてでも、トップ営業マンに売上を頼らない組織にすることが、長期的には安定した経営につながると確信したのです。

では、どのような組織にしていったのか?

それは、どんな営業マンでも同様の結果を出せる、営業マンを育成する仕組みを作り出し、誰が営業しても同じような数字を出せるようにしたのです。

離職をなくし採用を増やすには、トップ営業マンがいなくても会社の売上をアップさせる営業マンを育成する仕組みを作ること

そうすることで、トップ営業マンが権力をもち、社長が口を出せないということがなくなっていきます。

そして、社長が営業や、本来するべき出来ではない雑務からも解放されるので、会社が健全に回っていくことができるのです。

そして、このような仕組みを導入することで、古参の影響力を持った声の大きい社員は辞めていくでしょう。

え?

売上を作ってくれる社員を辞めさせてしまうのですか?

と思うかもしれません。

しかし、よく考えてみてください。

優秀な社員が入ってきても、古参の社員に辞めさせされて慢性的な人員不足を抱えて、社長が雑務で休みもなく、他の社員も残業が増えて不満を感じさせ続ける環境を続けるのと、

一時的に売上を落としてでも、営業マンを育成する仕組みを作ることがどちらが会社の未来を作っていけるでしょうか?

答えは明白ではないでしょうか?

一時的な売上の低下を恐れるあまりに、職場の健全性を後回しにすることが、結果として「採用に失敗し続ける会社」を作ってしまうのです。

反対に、組織の健全性を優先し、営業の仕組みを整えた企業には、採用の成功が訪れます。

採用が成功する組織の3つの特徴

1.入社後の離職率が圧倒的に低い

整備された営業の仕組みと教育体制があることで、新人社員は「成果が出る喜び」を早期に実感できます。

属人的な「俺ルール」ではなく、再現性のあるノウハウに基づいて業務を学べるため、自信を持って働くことができ、安心して職場に根づいてくれます。

2.働きたいと思われる「選ばれる会社」になる

SNSや口コミ、面接時の雰囲気などから、社内の空気は思った以上に求職者に伝わっています。

健全な組織運営をしている企業には、「人を大切にしている」「成長できそう」と感じた優秀な人材が自然と集まるようになります。

3.採用が求人票だけに頼らなくても回るようになる

働く社員が会社のファンとなり、自分の知人や元同僚を「うちで一緒に働かない?」と紹介してくれるようになります。

これは、採用にかかるコストを大幅に下げ、質の高い人材を安定的に採用できるようになる最大のメリットです。

最後に

私の会社でも、営業の仕組みを整え、職場の空気を変えたことで「採用できない」「定着しない」という課題が嘘のように改善されました。

もちろん、最初は勇気がいりました。

売上を担うトップ営業マンとの衝突も避けられませんでした。

しかし、「このままでは会社の未来はない」という危機感があったからこそ、踏み切れたのです。

その結果社員が安心して働き、育ち、売上をチームでつくっていく組織へと変わることができました。

もしあなたが「採用がうまくいかない」「人が辞めていく」と悩んでいるなら、求人媒体を変えるよりも、まずは「売上の構造」と「組織の空気」に目を向けてみてください。

成果が出る仕組み、育つ仕組み、そして誰もが働きやすい組織環境を整えることで、自然と良い人材が集まり、定着してくれるのです。

ご希望があれば、実際に私が行った「営業育成の仕組み化」のステップや、「空気を変えるために行った社内改革」など、さらに具体的な内容もお伝えします。

社員が辞める度に社内がバタついて、大慌てで求人媒体に多額の掲載料を払って、やっとの思いで採用できた社員がまたすぐ辞めてしまう…

これではいつまで経っても人材は定着しませんよね。

そうではなくて、人が育ち、人が辞めない組織づくりこそが、真の採用成功への第一歩です。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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