こんにちは、車屋専門の採用コンサルタント野瀬貴士です。
自動車業界では慢性的な整備士不足が続いており、多くの企業が人材確保に頭を悩ませています。
技術の進化や社会構造の変化に伴い、整備士に求められる役割も変化する中で、「どうすれば優秀な整備士を採用し、長期的に活躍してもらえるのか?」という問いに、真剣に向き合う必要があります。
その鍵となるのが、「会社のビジョンの明確化」と「整備士の将来像の見える化」です。
会社のビジョンを明確にすることでやりがいを持った働き方ができる
整備士として働く人々にとって、単に「仕事がある」ことはもはや十分な条件ではありません。彼らが真に求めているのは、「なぜこの会社で働くのか」「自分はこの先、どうなれるのか」という納得感や、将来に対する希望です。
そのためには、まず会社自身が「どこを目指しているのか」を明確にする必要があります。
例えば「地域No.1の自動車整備工場を目指す」、「電気自動車(EV)時代に対応した整備技術で先進的なサービスを提供する」など、社長が描く未来像を具体的に言語化し、それを社内外に発信していくことが重要です。
このビジョンが明確であればあるほど、それに共感する整備士は「自分もその未来の一員になりたい」と感じ、応募や入社後の定着につながりやすくなります。
上記はわかりやすい例にしていますが、より具体的なビジョンを言語化する方が採用にはつながりやすくなるでしょう。
「見える」将来のステップアップで安心と成長を提示する
ビジョンを語るだけでは、整備士にとってはまだ抽象的です。そこで必要なのが、「自分がこの会社で働いたら、どんな未来が待っているのか」を見える形で示すことです。
例えば、工場長になれば、給与がいくらになるのかを明確にしておく、主任、課長、役職が付けば、どんな仕事内容になって、給与がいくらになるのか?
資格取得ができてスキルアップでき、上を目指すこともできるし、目指さないことも、また選択できる。
そして、独立することもできるし、そのときはサポートする体制がある。
など、「見える化」しておくことで、整備士自身が「この会社で成長していける」と安心できます。
また、「国家資格取得の支援体制がある」「新技術研修への参加ができる」など、スキルアップ支援の仕組みを整えておくことも、整備士にとって大きな魅力になります。
「整備士=将来性がない」という誤解を払拭する
現在、若者の間では「整備士はきつい」「汚れる」「給料が安い」「将来性がない」というネガティブなイメージが定着しつつあります。
しかし、実際には技術革新が進む中で、整備士の仕事はより知的で戦略的なものへと変化しています。
特に、電動化・コネクテッド化・自動運転技術といった次世代の自動車整備には、新たなスキルが求められ、それに対応できる整備士は社会からますます必要とされます。
こうした「整備士の未来の姿」を積極的に発信し、「うちの会社では、そうした次世代整備士を育てていく」とアピールすることが、優秀な若手の心を動かすのです。
また、それだけではなく、給料はもちろん待遇面の改善も必須です。
社内の整備士が語る「リアルな将来像」を発信していくことも必要
言葉でどれだけビジョンを語っても、それが机上の空論に見えてしまっては意味がありません。
だからこそ、現場で働く整備士の「生の声」が大きな説得力を持ちます。
- 入社当初は自信がなかったけど、今は部下を持ち工場の運営に関わっている
- 資格を取りながら、収入もやりがいも増えている
- 新しいEV技術を学び、他社の整備士から頼られる存在になった
こうした実例をブログやSNS、採用パンフレット、会社説明会などで紹介することで、求職者は「この会社でなら、自分もそんな未来を描けるかもしれない」と感じられます。
つまり、自社メディアなどでの定期的な発信も必要になってきます。
自社メディア採用戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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車屋の採用率アップの切り札!欲しい人材の採用率をアップさせるための自社メディア採用戦略とは?
会社のビジョンと整備士の将来像を明確にすることで採用の質は変わります
整備士の採用においては以下のポイントが重要です
- 会社が「何を目指しているのか」を明確に示すこと
- 整備士が「どんな未来を歩めるのか」を具体的に見せること
- 現役整備士の声を通じて、リアルなキャリアを提示すること
この3点を押さえて採用活動を行えば、単に人を集めるだけでなく、「この会社で長く活躍したい」と思える人材を引き寄せることができます。
整備士にとっての働く意味を会社側がしっかり示す。
それが、採用競争が激化するこの時代における最大の差別化ポイントとなるのです。
まずは、社内の制度やビジョン設定をしていくことが整備士の採用を成功に導きます。
もし、あなたの会社で、会社のビジョンを言語化し、整備士の将来の道筋を描きたい!とお考えでしたら、きっと私はあなたの会社のお役に立つことができるでしょう。
ぜひ一度ご相談ください。