「親身に接する」だけでは、抽象的すぎる
お客様から「この人なら任せられる」と思ってもらうために、一言で言えば、親身になって接することが大事です。ただ、これだけだと抽象的すぎますよね。
具体的にどういうことかというと、次の4つです。
- 売り込まないこと。
- お客様の役に立つこと。
- お得に賢く購入する方法をお伝えすること。
- そして、良いことも悪いことも正直に伝えること。
これができれば、営業マンではなく「アドバイザー」として見てもらえるようになります。そうなれば、「この人なら任せられる」と思ってもらえる確率は、ぐっと高くなります。
逆に、信頼を築けない営業マンに共通していること
一方で、信頼を築けない営業マンにも、はっきりとした共通点があります。一言で言うと、「なんとかして売ってやろう」と思って接していることです。
お客様を、味方ではなく、攻略すべき相手として見てしまっている状態です。営業マン対お客様、という構図になってしまうんですよね。
だから、ギリギリグレーなトークや言い回しを使ったり、お客様の勘違いをあえて利用するようなトークをしたり、値引きやサービスで釣って、なんとか売ってやろうとする商談になってしまいます。
こういう商談は、その場では決まることもあります。でも、お客様は敏感にその空気を感じ取っています。信頼どころか、警戒心を強めてしまうことの方が多いんです。
「敵対構図」に陥っている営業マンほど、実は本人には自覚がないケースが多いです。悪気があってやっているというより、目の前の数字を追うことに必死になるあまり、いつの間にかお客様を攻略対象として見てしまっているんですよね。
だからこそ、経営者が外側から「今の伝え方は、お客様の役に立つ話か、それとも売り込みになっていないか」を、定期的にチェックしてあげる必要があります。
「アドバイザー」と「営業マン」、お客様の見え方はまるで違う
売り込まれていると感じれば、お客様は自然と身構えます。でも、役に立つ情報をくれて、良いことも悪いことも正直に話してくれる相手だと感じれば、お客様の方から心を開いてくれるようになります。
この差は、話し方のうまさではなく、「何を目的にお客様と接しているか」という、根本的な姿勢の差から生まれています。売るために接しているのか、お客様の判断を助けるために接しているのか。今の車の不満や不便さを深掘りするヒアリングと同じように、この違いが、そのまま信頼されるかどうかの差になるんです。
これを、営業マン個人の人柄に頼らない
うちの会社では、この信頼構築の流れとトークを、会社の武器となる台本の中に、完全に仕組み化していました。売り込まない伝え方、役に立つ情報の出し方、正直に伝えるべきタイミングを、明確に組み込んでいたんです。
「親身になれる人柄かどうか」は、営業マン個人の性格に左右されそうに見えますが、実際には、何を、どのタイミングで、どう伝えるかという「型」に落とし込めます。
人柄任せにしてしまうと、たまたま人柄の良い営業マンが多い時期は成果が出て、そうでない時期は成果が落ちる、という不安定な状態になります。
商談の同席やロープレの中で、この視点を営業マンに繰り返し伝えていくことで、少しずつ、お客様目線での伝え方が身についていきます。一度で完璧にできる営業マンはいません。だからこそ、繰り返し確認する仕組みが必要なんです。
信頼構築を、感覚や人柄の問題として片付けず、会社としての型にしていくこと。信頼される営業マンを「育てる」というより、信頼される伝え方を「型として渡す」。この発想の転換が、会社全体の商談の質を底上げしていきます。
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