中古車販売店に接客マニュアルが必要な理由

中古車販売 接客マニュアル

接客のばらつきに困っていた頃

接客マニュアルがなかった頃、接客のばらつきに困っていました。お客様が来店した時に、「いらっしゃいませ」という営業マンもいれば、「こんにちは」という営業マンもいる。そういう基本的なところの統一すら、できていなかったんです。

そこで、うちの会社では、お客様が来店したら「いらっしゃいませ」という言葉は一切使わない、と禁止にしました。全部、「こんにちは」「こんばんは」という挨拶に統一するように、接客のルールとして決めたんです。

なぜ、「いらっしゃいませ」を禁止したのか

理由は、「いらっしゃいませ」がどうしても売り込み感を感じさせるワードだからです。お店に入った瞬間から、売られる雰囲気を出してしまうと、お客様は無意識に身構えてしまいます。だから、会社として「いらっしゃいませ」は使わないと決めました。

こういうちょっとしたところからの、接客ルールの統一化がとても大事だと思っていて、会社全体でばらつきがないように揃えていきました。

最初は、「なぜこんな細かいことまで決めるのか」と感じる営業マンもいました。「いらっしゃいませ」の一言くらい、好きに言わせてほしいと思う気持ちも、分からなくはありません。

でも、お客様からすると、店に入った瞬間の一言で、この店が売り込んでくる店なのか、そうでない店なのか、無意識に判断しています。だからこそ、経営者が「これは絶対に譲れない」というラインを決めて、ルール化することに意味があります。

「見積書」も、「計算書」に置き換えた

同じ理由で、「見積書」という言葉も、売り込みを連想させるワードだと考えて、うちの会社では使わないようにしていました。代わりに、「計算書」というワードに置き換えて使うルールにしていたんです。

接客マニュアルを作る時に重視したポイントは、売り込み感を感じさせない言葉遣いです。あとは、そもそも売り込まないこと。

今の車の不満や不便さを深掘りするヒアリングでもお伝えした通り、まだ欲しくなってもいないお客様に、「どうですか、どうですか」とどんどん売り込んでいくようなやり方は、違うなと思っていました。

そうではなく、役に立つ情報や、賢い買い方、失敗しない車選びといった資料をたくさん用意して、そういう情報をお伝えする。売るためではなく、判断材料を提供するための接客を、マニュアルの軸にしていました。

マニュアルは、言葉だけでなく「気持ち」まで変える

マニュアルを導入した最初のうちは、営業マンも「マニュアルに書いてあるから、この言葉は使わない」「このトークは使わない」という、いわば形だけの実践でした。

でも、やっていくうちに、営業マン一人一人の気持ちそのものが変わっていったんです。

営業台本が会社の武器になるのと同じように、マニュアルが「価値提供する」「売り込まない」「お客様の役に立つ」という内容になっているので、その通りに接客を続けるうちに、気持ちもそちらへ寄っていきました。これが、一番大きな変化だったと感じています。

マニュアルというと、堅苦しいルールブックのようなイメージを持たれがちです。でも実際には、営業マン一人一人が、お客様にとって本当に良い接客とは何かを、日々の行動を通して体感していくための道具でもあります。

言葉を変えることから始めて、気持ちが変わるところまで到達できたのは、うちの会社にとって大きな成果でした。

接客マニュアルは、営業マンを縛るためのものではなく、お客様に安心して話を聞いてもらうための土台です。言葉一つから見直してみると、会社の接客の印象は大きく変わります。

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